琴奨菊 満開間近11連勝

 「大相撲初場所・11日目」(20日、両国国技館)

 大関琴奨菊が横綱白鵬との全勝対決を制し、初日からの連勝を自己最多の11に更新、単独トップに立った。過去4勝46敗だった天敵に対し、立ち合いから一方的に攻め込んで押し出した。これで自身初、06年初場所の栃東(現玉ノ井親方)以来、10年ぶりの日本出身力士の優勝へ大きく前進した。12日目は1敗で追走する横綱日馬富士戦。連日の関門も勢いで突破する。

 取組前の花道で琴奨菊は手を合わせ、顔を天に向け目をつぶった。「自分を信じた」と言う15年の土俵人生をかけた大一番。土俵の神に祈りは通じた。

 立ち合い、左を差すと一気のがぶり。回り込む白鵬を逃さず、無我夢中で前に前にひたすらがぶった。最後は、右手で突いて、横綱を土俵下に落とした。

 取組前の対戦成績は4勝46敗だった相手に大殊勲。全勝対決を制し単独トップに立った。日本の期待に応えた大関に今場所1番の大歓声が響き、館内に座布団が飛び交った。

 「自分の相撲を取れた。いい勝負ができた。熱くなりすぎずやるべきことをやろうと思った。やり切った」と、精根尽くした6秒9の大勝負を振り返った。

 最強の敵を前にした朝稽古。最古参大関は「相手との戦いは20~30秒。自分との戦いはそれ以外、全部。そこに勝てるように、そこに強い気持ちを持てるように」と自らと戦っていた。30秒弱の一番のために「寝ることも気力をためること」と24時間、相撲を意識するのが今場所だ。

 左膝、右肩の大けがを乗り越え幕内65場所目で初優勝のチャンスを迎えた。師匠の佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)は「先代(親方、元横綱琴桜)の教えがあると思います。ケガは稽古で治すもの」と話し、部屋に受け継がれる伝統と、まな弟子の努力が最多の無傷11連勝を呼んでいる。

 八角理事長(元横綱北勝海)は「気持ちで守りに入らなかったことが大きい。あと一つ負けられるんだ、という大胆な気持ちでいい」と、理事長就任後、初めての場所で10年ぶり日本出身力士の優勝を期待した。

 12日目の相手は1敗で追走する横綱日馬富士と強敵続き。「あしたもやるべきことをやって、しっかり準備する。気持ちは次に向けている」。いつも通りの言葉が頼もしかった。

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