伊藤舞 遅咲きランナーいざリオ五輪へ

 8月に行われるリオデジャネイロ五輪の女子マラソン代表に内定している伊藤舞(31)=大塚製薬=が、五輪本番へ決意を語った。昨年8月の世界陸上(北京)で日本人最高の7位入賞。早々と代表に内定し、じっくりと準備を進めている。31歳で初めて夢舞台に立つ遅咲きのランナー。期待がかかるメダル獲得へ、持ち前の粘り強い走りに磨きをかけている。

  ◇  ◇

 -リオ五輪へ、色紙に書いていただいたのが「成長」の2文字。

 「私は今までマラソンを11回走って、マラソンを通じていろんな面で成長できたと思っています。その成長できた部分をオリンピックの舞台で出し切りたいと思います」

 -五輪代表内定に至るまでに、最も成長した部分は?

 「練習のやり方でしょうか。一昨年の夏に左足の小指を疲労骨折して、6年ぶりのケガで焦ったんですが、1カ月くらい練習を休んで復帰したら体がしっかり動いたんです。冬にも腰の仙骨を疲労骨折したんですが、そのときも復帰してからの方がうまくいったんですね。それが調整法を考え直すきっかけになりました」

 -体を休めることも大事だと。

 「練習をやらなきゃ強くならないのは当然ですが、ガツガツやったからといって全てが結果につながるわけじゃないなと。少し“抜く”ことを覚えましたね」

 -その意識改革が、世界陸上の7位入賞につながった。

 「体が元気で集中力がありました。2回目の世界陸上だったので、1回目(11年、韓国・大邱)に比べると落ち着いて走れたというのもありました」

 -逆に、世界陸上で感じた課題は?

 「33キロでレースが動いたときに反応できなかったことです。あそこで付いていけなかったら上位争いは厳しい。ああいうペースの変化に対応できるようにしたいですね」

 -遅咲きと言われますが、陸上を始めたのは高校から。

 「中学時代はバレーボールをやってました。陸上部がなかったからバレー部に入ったんですが、下手くそでしたね。3年間、1勝もできずに終わりました。走るのは好きで、バレーをやりながら冬には地元の市民マラソンに出ていました」

 -五輪出場は大きな目標だった?

 「大塚製薬に移籍(09年)するまでは全然意識してなかったんですが、大塚に来てからマラソンを始めて、4年前のロンドン五輪の代表になりたいと強く意識しました。でも選考レースで結果を出せなくてすごく悔しい思いをした。その悔しさが今回の結果につながったと思います」

 -五輪までの調整プランは?

 「まず都道府県駅伝(17日)に徳島代表として出て、31日の大阪国際女子マラソンのハーフマラソンを走ります。そのあとハーフをもう1本走る予定にします。今はハーフで自己ベストを更新することを目標に練習していて、それをマラソンに生かしたいと思っています」

 -リオのマラソンコースの印象は?

 「海の近くを走るので風に対応しないといけないなと感じました。体幹を強くするとか、そういう準備ですね」

 -ズバリ、目標は?

 「メダルを目標にしたいという気持ちはありますが、今はそんなに簡単に口にできる目標ではないという思いもあります。でも、それに少しでも近づけるような準備をしなければ。できることを精いっぱいやって、世界陸上の33キロで感じた世界との差を少しでも縮めたいと思います」

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