白井 世界初の超大技でV決めた

 「体操・豊田国際体操・第1日」(13日、豊田市総合体育館)

 男子床運動で世界王者の白井健三(19)=日体大=が新技「伸身リ・ジョンソン」(後方伸身2回宙返り3回ひねり)に挑戦し、勢いあまってラインオーバーしたが、技自体は成功。15・700点で2年ぶり2度目の優勝を飾った。日本体操協会は国際体操連盟(FIG)に新技申請することを発表。認定されれば、床では自身3つ目の新技「シライ3」が誕生する。あん馬では萱和磨(19)=順大、つり輪は山室光史(26)=コナミスポーツク=が優勝した。

 シライがまたシライを生み出した。演技冒頭、圧倒的な高さで跳び上がると、ピンと背筋を伸ばしたまま、縦に2回宙返りする間に高速で3回ひねりきった。着地では「余裕がありすぎて」と勢い余って大幅にラインオーバーしたが、これまで誰も披露したことのないアクロバティックな技に会場はどよめいた。

 抱え込みで行うG難度リ・ジョンソンを伸身にしたこの大技は、今大会、3人の選手が挑戦する意向を示していた。ただ、1人は実施せず、もう1人は着地が乱れ、手をついてしまい失敗。白井のみが成功した。今大会の審判長で、FIG技術委員を務めるアテネ五輪金メダリストの冨田洋之氏は「名前が付くのは確実だと思う」と説明。既に白井は床で「シライ」の名が付く2つの技を持っており、来年2月のFIG技術委員会で認定されれば、「シライ3」が誕生する見通しだ。

 難度については関係者の間でも意見が分かれており、G難度か、男子床では初となる最高H難度に認定される可能性もある。演技を見届けた“絶対王者”の内村航平は「抱え込みでも難しいのに、伸身は相当難しい。あれがGでは納得できない」と、“H難度”の評価を下した。

 2度の世界王者となっても、貧欲に進化を求める白井。今大会での新技挑戦を決めたのも、来年のリオデジャネイロ五輪を見据えてのことだ。「これで満足せずに新たな可能性を追い求めていきたい。床は自分が世界を引っ張っていくつもりでやれば、新技はご褒美としてついてくる」。まだ19歳。これから、あといくつのシライが誕生するだろうか。

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