永瀬、金メダル獲得 15年ぶりの快挙

 「世界柔道選手権」(27日、アスタナ)

 男女各1階級が行われ、男子81キロ級は永瀬貴規(21)=筑波大=が決勝で一昨年の覇者ロイック・ピエトリ(フランス)に一本勝ちし、初優勝を飾った。同級で日本選手の金メダルは00年シドニー五輪の滝本誠以来で、世界選手権では95年大会の旧78キロ級を制した古賀稔彦以来、20年ぶり。女子63キロ級の田代未来(21)=コマツ=は昨年に続く銅メダルだった。

 00年シドニー五輪優勝の滝本誠を最後に、日本勢がことごとくはね返されてきた男子81キロ級。世界的に層の厚い階級で、永瀬が金星を挙げた。「今までやってきた成果が出て良かった。今まで世界で勝てないと思われていたが、81キロ級で勝てると証明できた」。来年の五輪へ大きく踏み出した。

 得意の足技を生かして勝ち上がり、準決勝は昨年王者のチリキシビリ戦。序盤に隅落としで有効を奪い、相手が狙ってくる奥襟をずらし、技で力を封じて優勢勝ち。ピエトリとの決勝は組み手を制し、危なげなく抑え込んだ。

 間合いを詰める感覚、攻めをしなやかにかわす受けの強さは天性のセンスだ。策士で鳴らす男子73キロ級の中矢力(ALSOK)は、永瀬を「長い手足で自分の独特の距離感を持ち、相手を中に入らせない。まさに柔」と評する。ジュニア時代から堅い防御に注目してきた日本男子の井上監督の秘蔵っ子。7月中旬に長崎県の実家へ帰省した際、母小由利さんを「何か大きくなったんじゃないの」と驚かせた。

 今年は最重量級の選手との練習量を増やし、技の精度を高めた。「ただここからが本当の勝負。自分がこの階級で頑張り、来年の五輪で金メダルを取りたい」。日本が誇る成長株が、頂点へ駆け上がった。

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