愛媛・井生 祖母、両親に結果で恩返しへ

 【愛媛・井生広大内野手】

 昨年、徳島で主将を務めながら、なかなか先発出場のチャンスをもらえず苦しんだ。4年目の今季、井生広大は新天地・愛媛で新たなスタートを切っている。主に一塁手として先発出場する機会も増えた。

 徳島での3年間、多くの出会いのなかでたくさんのものを得た。1年目にコーチを務めた長内孝(元広島ほか)もその1人だ。

 「朝から練習が終わるまで、付きっ切りで教えてくれて。右ひじの使い方、タイミングの取り方。『ベルトの高さなら変化球でも手を出して行け!』って」

 別れの日、帽子のひさしの裏に書いてもらった「成せば成る」の言葉を、いまも強く胸に刻んでいる。

 もう1人は2歳上の先輩であり、2013年の年間最優秀選手に輝いた大谷真徳(元徳島)だ。あるとき「どうしてそんなに打てるんですか?」と尋ねたことがある。すると、真剣な顔でこう答えた。

 「練習は嫌いだけど、試合で結果が出たらうれしいだろ」

 「その通りだなと思って。今年はマサさんと長内さんの言葉が効いてますよね」

 愛媛に来て、野球が楽しくなった。ファン、チームメート、首脳陣から「あいつなら何かやってくれる」と期待を掛けてもらえる選手になりたい。

 門司で暮らす祖母・エミ子さんは、電話で話をするたびに「体に気を付けて頑張れ」と言ってくれる。故郷である九州・小倉からバックアップしてくれる両親に、結果で恩返しを。

 「自分が満足できるような年にしたいですね。NPBへも、ほぼラストチャンスなので。守備をアピールしたい。でも、打たないと獲ってくれないので全部を。(スカウトの)目に留まるような選手になりたい」

 ビジターでの徳島戦、試合前の選手紹介の際、徳島の応援団はいまでも自分の名前が呼ばれると、太鼓を叩いてくれる。「それがうれしい」と話す。

 「弓岡さん(敬二郎監督)を優勝させたいですね。僕を獲ってくれて感謝です」

 前期優勝決定直前、そう語っていた。多くの人々へ「ありがとう」の気持ちを込めて、グラウンドに立つ。

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