【２０１２年２月１６日付デイリースポーツ紙面より】

　ＤｅＮＡ・中畑清監督（５８）が、野球評論家の江川卓氏（５６）にユニホームのススメ？１５日、宜野湾キャンプで巨人時代のチームメートの江川氏が、テレビ局の仕事で宜野湾キャンプを訪問。現場復帰への待望論が絶えない江川氏を、中畑監督は「ユニホーム着たいと思ってるんじゃない？」と“挑発”する一幕もあった。

　再会するなり、中畑監督は江川氏に直球をぶつけた。「ユニホーム着たいと思ってるんじゃない？」。誰もが聞きたかったが、遠慮していた一言。テレビ局の企画で、自らハンディカメラを持ち中畑監督に密着していた江川氏は、「私は取材する側ですので」とつれない態度ではぐらかした。

　ともに巨人ひと筋のスター選手だが、指導者には縁遠かった。特に江川氏は、現役引退以降コーチ経験もない。だが、現場復帰待望論が根強くあるのも事実で、昨オフには巨人ヘッドコーチ就任プランも浮上した。

　そんな経緯もあってか、絶好調男は“挑発”、いや誘惑をやめない。「うらやましいだろ、このやろう。早くユニホーム着たくなったろ？」。「全然、ならない」。またもやつれない返事の江川氏。それでも、指揮官からしてみれば、旧知の仲間で球界を盛り上げていきたいという思いは本音だろう。

　報道陣に対して江川氏は、「中畑さんはうずいていたと思いますけど、私はうずいていません」と淡々と応えた。しかし、生き生きとグラウンドを動き回る指揮官を「ユニホーム似合ってますね」とまぶしそうに見つめる一幕も。「学生時代から知ってますけど、本当に（野球が）下手だった。プロに入って花開いた人。今の横浜ＤｅＮＡには一番合っている。一生懸命練習して、中畑さんみたいな選手が出てきてほしい」と、江川流のエールを送っていた。