広島・田中広輔 笑顔で別れ「地元で胴上げできたことは一番の思い出」 今後未定も「悔いのないような選択をしたい」 

 思い出の詰まったグラウンドで、かけがえのない時間を刻んだ。広島から戦力外通告を受けた田中広輔内野手(36)が23日、マツダスタジアムでの「カープファン感謝デー2025」に異例の参加。「ファンの皆さんに恩返しというか、そういう場でしたので。球団の方に『出られるなら出なさい』と言っていただいた。最後(ファンの方の)顔を見て、あいさつできたかなと思います」と感慨深げに語った。

 苦楽を共有したチームメートと言葉を交わし、シーズン中とは違った形でファンと交流。いつも背中を押してくれた鯉党へ、感謝の思いを体現した。トークコーナーで一番の思い出を問われると「地元で胴上げできたことは一番の思い出」と3連覇目となる2018年のリーグ優勝を挙げた。

 午後は「チーム秋山」と「チーム菊池」で行われた選手同士のソフトボール対決に加わった。三回表、紅組の監督を務めた菊池から代打での登場を告げられ、見事に右前打。スタンドからは大きな拍手が注がれた。かつて二遊間コンビを組んだ仲間からの粋な演出に「本当にありがたいですし、今まで頑張ってて良かったなと思いますね」と、ここまでの足跡に少し胸を張った。

 かねて現役続行の意向を表明しており、現時点で今後は未定とした。「僕自身が成長できるように、悔いのないような選択をしたい」と田中。節目の一日を笑顔で終え、次なる挑戦に身を置く。

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