逆襲の広島、5連勝でストップ 痛い牽制死 ヤクルト・古賀に狙われた若ゴイの帰塁~岡義朗氏の見解
「ヤクルト5-4広島」(30日、神宮球場)
広島がヤクルト・村上の3発に屈し、連勝が「5」で止まった。ただ、攻守にわたるミスが敗戦の“遠因”となったことも確か。デイリースポーツ評論家の岡義朗氏は「不用意な四球と塁上での失敗、そしてダメ押しの本塁打。これらは反省材料」と語り、チームとしての再確認を促した。
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この試合の先発投手は高橋。オープナーの役割なので、ベンチもある程度もつれる展開は予想していただろうが、三回先頭の山野に与えた四球は相手が投手だけにもったいなかった。
結局、この“ミス”が起点となって逆転されたからだ。せっかく先取点を奪い、試合の流れを引き寄せたのにその流れを自ら止めて、逆に相手に渡してしまう。墓穴を掘った格好になったね。
(二回、広島は高橋自らの右中間二塁打で2点を先取。その裏、ヤクルトは村上のソロで1点差に詰め寄ると三回、先頭の山野が四球。浜田が左越え二塁打。長岡の内野ゴロで1点を返したあと村上が2打席連続の2ランを放って逆転した)
反省すべき点はもうひとつある。菊池が遊ゴロをヘッドスライディングで内野安打にする気迫を見せた四回だ。二死から代打前川もヒットで続いたまではよかったが、一塁走者としてピックオフプレーに引っ掛かり牽制死。これは痛かった。
捕手古賀の洞察力に屈したものだが、「いいスタートを切りたい」というはやる気持ちを見事に見透かされていたね。
打者の中村奨に対して山野が初球を投げた時点でリードの取り方がしっかり観察され、狙われていたに違いない。シャッフル後の第2リードで右足に体重が乗っているのが見えたのだろう。2球目はウエスト気味に外され、まんまとワナにはまってしまった。
前川としては捕手の肩や一塁手の位置を確認しながら、帰塁するためのセーフティーな距離感を把握しておかなければいけなかった。
試合経験に乏しい未熟な若手ではあるが、大事な順位争いのゲームに出ている以上、仕方ないではすまされないからね。しっかり反省し今後に生かしてほしい。
ベンチやベースコーチからは、こういった捕手からの牽制があることを注意していたのか。そこも気になる。選手は前のめりに行きたがるもの。特に足の速い選手にフライング的なミスはつきものだから。
さらにもうひとつ。2点ビハインドの状況で、八回に浴びた村上の3発目は終盤でもあり、本塁打だけは厳禁という場面だった。結果論ではなく、ここはもっと丁寧な攻めが必要だったのではないか。
投手は同じ若手の辻。カウントを悪くして取りに行ったストライクが甘くなった。すでに2本塁打している村上だけに、苦し紛れの投球は避けるべきところ。仮に歩かせて、それが失点につながったのなら後悔はなかったはずだ。
結果的に坂倉の2ラン(九回)が焼け石に水となってしまったが、村上に対しバッテリーとして細心の注意を払ったかどうかという点では、これも反省材料と言えるだろうね。
ホームベースから離れて立つ村上に対して、ほとんど内角へ投げ切れずに3発を打たれた。2戦目以降、カープの投手陣はどう攻めていくのか。関心があるね。





