4番目の打者から真の4番へ 遅咲きの主砲、広島の末包が大変身した理由を岡義朗氏が解説

 「巨人4-1広島」(28日、石川県立野球場)

 広島が巨人に逆転負けを喫し、3位に転落。首位阪神との差が2ゲームに開いた。だが、敗戦の中にも矢野と小園が2安打、新人の佐々木が代打で安打を放つなど明るい材料も。一方、デイリースポーツ評論家の岡義朗氏は「末包の2四球には大きな成長が見られる」と主砲の変身ぶりに注目した。

  ◇  ◇

 この試合の末包はヒットこそなかったが、初回と八回に奪った2つの四球には成長の跡を感じたね。どちらも粘って選んだという内容を評価したい。

 (末包は初回二死一塁でフルカウントから山崎のフォークを見極め四球で出塁。八回無死一、二塁では大勢に簡単に追い込まれながらも7球目、外角低めの直球を再度しっかり見極め、四球を獲得した)

 相手投手は山崎と大勢だからね。こういうトップクラスの投手が球数を要しているのは“怖い”と感じているからこそ。より慎重になっている証拠だろう。

 実際に得点圏打率が4割を超えていて飛ばす力をもっているとなれば、それも当然かもしれない。

 今年は昨年までと違って明らかに三振数が減っている。軸がブレなくなり、いわゆる「ボールを見る時間」が長くなっているからだ。

 具体的に言うと、いったん軸になる右足に体重を乗せたあと、投球に合わせてボールを迎えにいかなくなっている。これまではボールにぶつかっていく感じだった。正面衝突のようになるから直球には詰まるし、ボールの変化にもうまく対応できなかった。

 今は“タメ”ができるようになったことで変化球への対応力が生まれ、その結果、選球眼もよくなった。ボールを待つということができているということだ。

 打席の中で余裕が出てきているのかな。あっさり三振というイメージはなくなってきた。しぶとい、嫌な打者になってきたなと思う。

 年齢的には29歳だから、もう若いとは言えない。ノンプロ出身でプロ入り後の年数はさほどでもないけどね。でも、この変身ぶりには先々の可能性を感じる。

 実績という点では不十分で、まだ「4番目の人」という印象は拭えないが、今年、4番として2割7分で25本、90打点ぐらい残せば来年以降、本当に期待できる。

 長いことこの世界を見ているけど、30前後で急激に伸びてきた選手は少ないと思う。遅咲きの典型かもしれない。そういう意味では凄いね。

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