もう赤ヘル打線を赤貧打線とは言わせない!?「打者の粘りが投手を苦しめている」と安仁屋宗八氏

 「広島10-3DeNA」(12日、マツダスタジアム)

 広島が15安打の猛攻で10得点を奪い、大勝した。1点を追う三回には大量6得点で逆転。デイリースポーツ評論家の安仁屋宗八氏は「打者の粘りが投手を苦しめている」と語り、変わりつつある貧打のイメージに言及した。

  ◇  ◇

 三回は面白いように点が入ったね。連打が出て打順が後ろへ後ろへつながっていく。阪神戦でまた完封負け(11日)を食らっていたが、この日のような攻撃ができれば大量点につながるというものだ。ランエンドヒットを決めて常に一、三塁の形を作っていたのがよかった。

 このランエンドヒットの作戦が取れるのも、打席でのしつこい粘りでフルカウントまでもっていくことができているからだ。その上で打者は空振りせずに転がす。逆方向への打球も含めてそれがヒットになる。素晴らしいじゃないですか。

 足のあるチームを相手に一、三塁という状況は投手にとってイヤなものだからね。ここへきて点が入るようになってきているのも、こういう粘りがあるからこそで、それが投手を苦しめている。

 前までは点が入らず残塁ばかりが目立っていたけどね。

 打線で一番大きな変化は坂倉の“復活”だと思いますよ。球宴で満塁ホームランを打ったが、これがものすごい自信につながったんじゃないか。こういうキッカケというものはあるからね。前半戦はカスみたいな球をしょっちゅう空振りしていたのにね。見違えるばかりだもの。

 それと新井監督の選手起用も当たっているんじゃないか。中村奨成が2安打1打点。途中起用の二俣も打点付きのヒットを打った。

 大きな援護があったとはいえ、玉村の前回に続く完投も立派だったね。四球は九回に1つ出しただけ。前回は無四球でしょ。スピードはないが、制球力とキレが信条の投手らしく最後まで丁寧な投球だった。この厳しい夏場を1人で投げきるのだから本当に貴重な存在だ。

 それにしても、ここ最近は玉村(7月30日、8月12日)とアドゥワ(8月6日)、森(8月9日)を3連戦の大事な初戦に投げさせて、すべて勝たせている。このあたりの起用も当たっているね。

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