広島・黒原が開幕ローテ前進 楽天戦4回0封で対外試合10イニング連続無失点!! 緩い変化球光った
「オープン戦、楽天2-3広島」(3日、倉敷マスカットスタジアム)
広島・黒原拓未投手(24)が楽天とのオープン戦で好投し、開幕ローテ入りにまた一歩前進した。2番手で三回から登板すると、4回2安打無失点。これで今春の対外試合は計10イニング無失点と文句なしの結果を出している。新井貴浩監督(47)は引き続き他の候補と争わせる方針だが、21年度ドラ1左腕が競争を勝ち抜く。
打線が沈黙を続けていたからこそ、余計に存在感が際立った。4回2安打無失点。黒原が試合を支配した。「真っすぐもチェンジアップも決まっていた。走者が出てから焦らず、自分のテンポで投げ切れた」と落ち着き払って腕を振り、開幕ローテ入りに近づいた。
自信を深めたのは緩急の「緩」の部分。三回からマウンドに上がると、2死から入江には110キロ台のカーブを2球続けて二飛。「カーブは初回に一番投げて、カウントをしっかり取れた」と納得顔で、続く四回1死からは浅村、島内と楽天の看板打者たちを連続で見逃し三振に斬った。
浅村にはカウント2-1からチェンジアップでファウルを奪い、同じ遅球で見逃し三振。相手打者は虚を突かれたような様子だった。「少し引っかけた分、角度というか球の出どころが違ったので、打者もビックリしたのかなと」と分析した。
直球とカットボールを主体に投球を組み立てるタイプだからこそ、緩い変化球の精度が高まれば投球の幅が広がる。浅村の見逃し三振に「そういう反応は投げている方としてもうれしいこと。(打者の)頭にない球を打席ごとに捕手と相談しながら、選んでいけたら」と配球面にアクセントを施していく。
五、六回は走者を出しながら無失点。これで対外試合は2月17日の練習試合・ロッテ戦から計10イニング無失点。内容の伴った結果を出し続ける左腕に新井監督は「球威で押し込んでいたし、カーブでカウントを整えられていた。きょうもナイスピッチングでした」と高評価を与え「もう少し、みんなで争ってもらいたい」とさらなるアピール合戦を呼びかけた。
キャンプ中はワインドアップ投法に着手したが、この日は胸の位置でグラブを止めた。「振りかぶると(体の)ブレも大きくなる。今の方がまとまっていたし、球の強さも変わってない」と手応え十分。足の上げ方もスムーズではなく、少し間を持たせてモーションに入った。「あのリズムだと体のブレも少ない感じがした」。自ら試行錯誤を重ねて到達した新スタイルの感触も上々だ。
春先の大目標へ黒原は「まだまだ争っていく段階。次の試合も、自分のいい部分を出せるように」と誓った。高水準のパフォーマンスを続ける“無失点男”。開幕ローテの座を必ずモノにする。





