広島・斉藤 22年度ドラ1が日本一打線に粘投3回1失点「打たれるだろうと割り切って投げられた」 新井監督「良い経験」

 「練習試合、広島0-4阪神」(18日、コザしんきんスタジアム)

 広島の斉藤優汰投手(19)が18日、阪神との練習試合(コザ)に先発し、3回6安打1失点の粘投を見せた。今季初登板の相手は昨季、日本一に輝いた強力打線。3四球を与えるなど制球に苦しみ、毎回得点圏に走者を背負うも最速150キロを計測した直球を軸に最少失点で切りぬけた。1軍での登板経験のない22年度のドラ1右腕は貴重な経験を糧に進化を遂げる。

 苦しみながらも粘りに粘った。三回2死一、二塁で8番・坂本を遊ゴロに打ち取ると、斉藤はほっとした表情を浮かべ、駆け足でマウンドを降りた。3回を投げ、全てのイニングで得点圏に走者を背負うも失点は1。「正直、野手の皆さんが止めてくれたりとか、正面に飛んだラッキーなライナーがあったが1点に抑えられたのは良かった」と自身今季初の対外試合での登板を振り返った。

 プロ2年目の19歳の前に立ちはだかったのは“日本一打線”だった。スタメンには中野、大山、佐藤輝、森下ら昨季、虎を38年ぶりの日本一に導いた主力がずらり。「とにかく落ち着いて投げようと考えていました」と平常心でマウンドに上がった。

 しかし猛虎打線は初回から斉藤に襲いかかった。前川、中野に連打を浴び、いきなり無死二、三塁のピンチを招く。それでも右腕は慌てなかった。「あまり良くないかもしれないですけど『打たれるだろう』という気持ちで投げていた。打たれても仕方ないと割り切って投げられたかなと思います」。3番・糸原の三ゴロの間に先制点を献上し、その後2死満塁とするも、小幡を左飛に打ち取りこの回を最少失点で切りぬけた。

 二回以降も制球に苦しみながら、今キャンプで磨いてきた直球を軸に粘りきった。この日の直球の最速は150キロ。捉えられる場面もあったが「ファウルが取れたり、いいところに決まったりという感じがあった」と納得の表情を浮かべた。

 1軍での登板経験がない斉藤。2軍では経験できないレベルの高さを痛感した。「甘い球を逃してくれない。変化球でカウントを取れなくて、真っすぐに頼ったらその真っすぐを狙い打たれた。そういうところを改善していきたい」。発展途上の右腕にとって収穫の多い67球となった。

 新井監督も粘りに投球に対して「1軍で実績のある打者が並ぶ中で彼にとってはすごく良い経験、勉強になった1日だったと思います」と評価。今後の成長に期待を寄せた。日南キャンプでは黒田球団アドバイザーが将来性を絶賛した逸材。日本一の打線に立ち向かった経験を糧に、大きな成長曲線を描いていく。

 ◆斉藤 優汰(さいとう・ゆうた)2004年5月27日生まれ、19歳。北海道岩見沢市出身。189センチ、91キロ。右投げ左打ち。投手。明成中2年から投手を始め、苫小牧中央に進学。2年秋からエースに。MAX151キロ。22年度ドラフト1位で広島入団。昨年の2軍成績は5試合に登板し0勝1敗、防御率4・02。

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