カープ大瀬良 71日ぶり復肩星「家族が支え」で乗り切った マツダ巨人戦は無傷11連勝
「広島3-1巨人」(24日、マツダスタジアム)
広島・大瀬良大地投手(32)が巨人重量打線を相手に7回3安打無失点の好投で4月14日・ヤクルト戦以来、71日ぶりの3勝目。マツダスタジアムでの巨人戦は無傷の11連勝となった。3位・巨人とは再び0・5ゲーム差、首位・阪神とも5ゲーム差。エース復肩で一気に浮上する。
グッと握りしめた拳に思いが詰まった。大瀬良は四回2死三塁のピンチで中田翔をカットボールで空振り三振に打ち取ると小さくガッツポーズ。
きょうこそ絶対に勝つ。
交流戦MVPの岡本和とは初回、四回と得点圏に走者を置いての対戦となったが、逃げることなく立ち向かい無安打に抑えた。
四回の秋広を最後に安打を許さない完璧な投球で7回を投げきり3安打無失点。島内-矢崎のリリーフを仰ぎながら、2カ月以上ぶりの勝利を手にした。
「2カ月ちょっと勝っていないと、気持ち的にも苦しいと思いました。自分の投球がふがいないというところがあったので、なんとか流れを変えたいと思ってマウンドに上がって、結果も出たのでよかった」
プロ通算78勝目。これだけ勝利を重ねてきても6試合で4敗と結果が出なかったこの間は苦しかった。前回登板の13日・楽天戦では3回まで無安打投球も四回にいきなり5失点で敗戦投手。どんなときも丁寧に対応してきた右腕もさすがに答える言葉をなくした。
苦しい日々を支えてくれたのは家族だった。交流戦後の休日は旧市民球場跡地へ遊びに出かけた。投球プレートのあった部分に立ち、息子をホームベースに立たせてシャドーピッチングしてみた。
「でも、息子が全然、こっちを向いてくれなかった(笑)」
そんな時間が癒やしになった。この日もスタンドから声援を送ってくれた。
「家族が支えというか、どんなときも味方でいてくれますし、そういう人のために頑張りたい。一番ほっとしているかもしれないですし、(勝利の)ボールを届けたい」
もちろんこの1勝で満足するつもりはない。
「僕自身2つ借金をしている。こんな成績ではいけないと思っている。一つ一つきょうみたいな投球が継続できるようにしたい」
新井監督は「チームにとっても大地にとっても大きな勝利」と言った。エース復活が再浮上のきっかけになるはずだ。




