広島・坂倉 大勢に苦手意識植え付けた6号 対戦防御率11・25「みんなが頑張っている証し」
「広島3-5巨人」(23日、マツダスタジアム)
広島は九回に坂倉将吾捕手(25)の6号ソロなどで巨人の守護神・大勢を追い詰めたがあと一歩及ばず敗戦。リーグ戦再開は黒星スタートとなった。だが、最後まで諦めない新井野球はみせられた。相手守護神は広島戦に限れば4試合で5失点。苦手意識は植え付けられたはずだ。
“ミスター・ジューン”が大勢の前に立ちはだかった。3点を追う九回先頭で坂倉。大勢の初球、高めに来た151キロを完璧に捉え、右翼スタンドに運ぶ6号ソロ。反撃のノロシを上げた。
「先頭だったので、塁に出ようと思った結果、ああいう形になって良かったです」
これが自身通算38本目の本塁打だが、その内、巨人戦は10本目と球団別で最多のGキラーだ。
2死となったが、代打・田中が二塁内野安打で執念の出塁。菊池の代打・松山は四球で一発が出ればサヨナラまで追い詰めるが、上本は二ゴロ。吉川がグラブからこぼし、二塁上のプレーは微妙なタイミングも、新井監督のリクエストでも判定が覆ることはなく試合終了となった。指揮官は「あともうちょっとだったね」と悔しさをにじませた。
それでも爪痕は残した。大勢は広島戦に限れば4試合で2セーブ、4回で5失点。防御率11・25と他球団と比べて極端に悪い成績。苦手意識は十分に植え付けられたはずだ。
坂倉は「それは僕だけじゃなくてみんなが頑張っている証しだと思う」と話す。守備に就けば女房役。5失点を思うからか、厳しい表情を崩さなかった。
試合を振り返れば諦めない姿勢を示し続けたのもまた坂倉だった。2点を追う二回も2死後に右線二塁打を放ち、デビッドソンの適時二塁打につなげた。
開幕直後は捕手再転向の影響からか、自慢の打撃はなかなか調子が上がらなかったが、6月に入ってこれで44打数17安打の打率・386、2本塁打、5打点と一気に調子を上げてきた。実は昨季も6月は打率・370、4本塁打、10打点と月間で一番良い成績を残しており、“ミスター・ジューン”の本領発揮というわけだ。
「(6月?)特に好きも嫌いもないですけど、暑いのは苦手です」
3位・巨人とは1・5ゲーム差と開いたが、残り2戦を取れば再浮上は可能。最後まで諦めない“ミスター・ジューン”が導いてくれるはずだ。



