カープ栗林 復活マウンド1回無失点 スタンドから温かい声援「盛り上がりを感じて力になった」

 「広島1-5ソフトバンク」(2日、マツダスタジアム)

 右内転筋筋挫傷で離脱していた広島・栗林良吏投手(26)が1軍復帰登板を無失点で飾った。2点を追う七回にマウンドに上がり、1回を1安打2奪三振。最速は150キロを計測し、復活を印象付けた。チームは2連敗で交流戦単独最下位。ソフトバンク戦は2021年から5連敗となったが、守護神の好投が光となった。

 スタンドから湧き起こる歓声の大きさが、詰めかけたファンの心情を物語っていた。温かい拍手を背に受け、栗林が帰ってきた。自軍に安心感を与え、敵軍の前に堂々と君臨する光景こそ、右腕の真骨頂。スコアボードに刻んだ「0」に価値が宿った。復活への第一歩を刻んだ19球。「拍手の大きさも感じたし、アウトを1個取るごとに盛り上がりを感じて力になった」と息を吐いた。

 約1カ月ぶりの1軍舞台。出番は2点を追う七回に訪れた。先頭の川瀬を2球で追い込み、ファウルを挟んで最後は代名詞のフォークで遊ゴロ。代打・リチャードはカーブで空振り三振に斬った。2死から中村晃に左前打を許すも、続く代打・柳町をカットボールでバットに空を切らせた。

 最速は150キロ。直球でファウルを打たせ、打者4人全員に対して初球でストライクを取るなど、制球面でも収穫を持ち帰った。「三者凡退なら、もっと良かった」と反省を忘れない一方で「初球(ストライク)を取ることで気持ちも楽になれた。ファウルを取りにいくことが、いい方向にいっている。ファンの皆さんのおかげで、2軍では出なかった150キロが出たり、力になった」と感謝した。

 4月29日・巨人戦(東京ド)で中田翔に逆転サヨナラ2ランを被弾。5月1日に出場選手登録を抹消された。1軍の戦いの場を離れたのはプロ入り初。「1軍の試合を客観的に見て、もう一度あそこに上がってチームに貢献したい、ファンの皆さんに笑顔を届けたいと思えたいい機会でした」。初めて抱いた感情が原動力になった。

 5月下旬から2軍戦2試合に登板し、いずれも無失点で30日から1軍に合流。ブルペン陣に欠けていたピースが埋まり、新井監督も「いい再スタートが切れたんじゃないかなと見ています」と復調を頼もしく感じ取った。

 チームは2連敗で勝率5割に逆戻り。交流戦単独最下位となったが、背番号20の好投はチームにとって明るい材料になった。「どんどん良くなって信頼を積み重ねていければ」と栗林。右腕にはまだまだ大きな仕事が待っている。

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