広島・森 フォーム固めて力強い速球を取り戻す
広島の森翔平投手(25)がフォーム固めをテーマに練習を続けている。3月のオープン戦では2試合で計7回を投げ11四死球を与えた。下半身を意識した投球を徹底することで修正を図り、もう一度力強い速球を取り戻す構えだ。
悔しさを成長の糧とする。森は「真っすぐをもう一度、力強くしたい」と力を込めた。本来の投球を取り戻す。そのために取り組むのはフォーム固めだ。
苦い登板が原動力だ。3月12日のヤクルト戦は3回3安打5四死球1失点。リベンジを期した18日のオリックス戦でも4回3安打2失点ながら、与四球は6個を数えた。2試合で計7回を投げ11四死球。開幕ローテ入りはかなわなかった。
「(四球連発は)初めてです」。制球を乱し自ら崩れるタイプではない。原因を「投げにいけていなかった。(右足でマウンドを)踏み込めなかった」と分析した。
踏み込めなければ体重が後ろに残るため、力を確実に伝えきれない。登板前からマウンドを踏み込む感覚をつかもうとしたが、修正できなかった。上半身に頼った投球では制球が定まらなかった。
2軍再調整後はキャッチボールから見直した。「グッと踏み出して。横の時間も長くつくって、というのは意識しています」。これまで以上に丁寧に体を動かすことで確実に結果に結び付いている。ウエスタンでは15日現在、2試合に登板、7回を投げ防御率1・29、与四死球は3と安定感は確実に増している。
2軍行きを告げられたとき、新井監督からこう声をかけられた。
「去年の秋から見ているけど、俺が思っている半分の力も出ていない。しっかり調整してほしい」
指揮官は昨年の就任時から長いシーズンを1、2軍全員で戦い抜くと言い続けてきた。左腕は開幕ローテに入ることはできなかったが、高い能力は誰もが認めるところ。気持ちを新たにして、1軍昇格へ技術向上を図っている。
「真っすぐは強くなっている。(フォームの)バランスも良くなっているので、これを続けていきたいです」
2年目で飛躍を誓う森は、力強く言い切った。
◆森 翔平(もり・しょうへい)1998年1月1日生まれ。鳥取県出身。投手。左投げ左打ち。身長177センチ、体重81キロ。小学1年から野球を始める。鳥取商では投手と一塁を兼任。甲子園出場はなし。関大では投手に専念し、三菱重工Westを経て2021年度ドラフト2位で広島に入団。





