カープ韮沢 開幕1軍へ「やるしかない」 春季C途中から昇格、チャンス逃さない
広島の韮沢雄也内野手(21)が自身初の開幕1軍を目標に掲げた。春季キャンプ途中から1軍に合流。力強い打撃が首脳陣の目に留まった。本職の遊撃に加え、今春は一塁と三塁にも挑戦。内野ならどこでも守れる強さも生かしながら、オープン戦を戦っていく。
力強い打球が芝生の上で弾む。若鯉の中で打力をアピールしているのが韮沢だ。春季キャンプは2軍スタートながら、途中から1軍に昇格し存在感を示している。目指す目標は明確だ。
「開幕は1軍でできるように頑張りたい」。短い言葉に思いを込めた。
昨秋から長打を増やすことをテーマに練習してきた。1月には坂倉らと高知で合同自主トレ。昨季チームで最も安打を放った好打者から助言や指導を受けレベルアップを図った。
「タイミングの間というか、それがうまくいっている。クイックでも、足を上げてもできるようになった」
今春、投手の生きた球を打ちながらタイミングの取り方を修正したことで、さらに打撃に磨きがかかった。2月上旬、新井良2軍打撃コーチの指導がきっかけだ。
「ファームで良太さんとかにタイミングのことを一番多く教えてもらって、そこを考えてやったら良い感じになった」
打席でどっしりと構えるのが印象的。そこから以前よりも始動をかなり早くし投球を待つことで対応力があがった。
キャンプ中、新井監督には「(去年の)秋に比べて力強くなったなと言われた」。指揮官の言葉も大きな励みになった。
本職は遊撃ながら、キャンプでは一塁や三塁を守った。ポジションが変われば打球の見え方や速度が変わるだけに「難しい」と話した。それでも複数のポジションを守れれば自分の武器になる。反復練習して身に付けていく構えだ。
開幕まで1カ月を切った。オープン戦では少ないチャンスで内容と結果を示していかなければならない。
「確実に一発で仕留められるようにしたい。それが求められていると思う。守備ではどこでも守れるように。やるしかない」
誰にも負けない強い気持ちを胸に、激しいサバイバルレースを勝ち抜く。
◆韮沢雄也(にらさわ・ゆうや)2001年5月20日生まれ。新潟県魚沼市出身。身長177センチ、体重83キロ。内野手。右投げ左打ち。小学1年から野球を始める、高校は花咲徳栄(埼玉)に進学し、1年春からベンチ入り。その年の秋から遊撃のレギュラーとなり2年夏と3年夏に甲子園に出場した。19年度ドラフト4位で広島に入団。