黒田アドバイザー 広島・新井監督にだけ内緒でサプライズ合流 球場もびっくり騒然

 キャンプ地を訪れた黒田球団アドバイザー(左)は新井監督(奥)らと談笑する(撮影・田中太一)
 黒田球団アドバイザーと話をする菊池涼(撮影・田中太一)
 黒田球団アドバイザーは新井監督らと談笑する(撮影・田中太一)
3枚

 「広島春季キャンプ」(4日、日南)

 広島・黒田博樹球団アドバイザー(47)が4日、日南キャンプに“サプライズ合流”した。新井貴浩監督(46)には事前に来訪を告げず、グラウンドに登場して驚かせた。5日から指導にあたり、17日までチームに帯同する予定。同アドバイザーは経験に基づいた考え方を投手陣に伝える考えを示し、指揮官は選手に“質問攻め指令”を出した。

 その瞬間、球場全体の空気がガラリと変わった。かつて広島を歓喜に包んだ男は、紺色のジャケットを羽織ってグラウンドに登場。スタンドの鯉党は慌ただしく写真撮影に駆け回り、選手たちが続々とあいさつに訪れる。新井監督を中心とした驚きの輪は、フリー打撃中のケージ裏からあっという間に広がった。

 “伏線”は数日前、新井監督とのメールのやりとりにあった。黒田球団アドバイザーが明かす。「数日前からメールをいただいていて。いつ来るか、ずっと催促されていたので『行けたら行く』という返事だけして、きょうは黙って来ました」と、いたずらっぽく笑った。

 来訪は事前にコーチ陣も把握。唯一知らなかった新井監督は「びっくりした。本当、びっくりした」と驚きながらも、先輩の粋なサプライズに感謝した。

 5日から指導にあたり、投手陣に寄り添っていく。同アドバイザーは「考え方やマインド、どうやったら打者を抑えていけるかという考え方を、少しでも伝えていければ」と技術以上に気持ちの持ちよう、投球術を重視してアプローチする考え。「すぐ方向が変わって、いい方向に向いていく投手はいるんじゃないかなと思う」と自信ものぞかせた。

 他球団にはない、その極意を直接吸収できる貴重な期間。だからこそ、新井監督も投手陣に積極性を求める。「野球に取り組む姿勢だったり、全てが『生きたお手本』。あれだけの投手なのにチームのために腕を振れる。そういうマインドを吸収してもらいたい」と要望。「黒田さんが『もう疲れたから、あしたにしてくれ』というぐらいね。どんどん行ってほしい」と“質問攻め指令”を出した。

 同アドバイザーが新井監督と一緒にプレーした年数は計11年。今季は互いに新たな肩書となり、強いカープを作り上げていく。「僕自身がもう一度、勉強し直すというかね。今いる選手が今年一年、素晴らしいシーズンを送れるように、そして素晴らしい野球人生が送れる手助けができれば」。日米通算203勝の右腕による、極上の指導が幕を開ける。

 ◆新井監督&黒田氏の友情タッグ 両者は共に15年シーズンに広島復帰。投打の柱として翌16年に25年ぶりとなるリーグ優勝に貢献し、涙を流して抱き合ったシーンは多くのファンの胸を打った。新井監督が現役時代の05年に本塁打王で自身初タイトルを獲得した際は、黒田氏から「外に競争相手を見つけた方がいい」との助言を受け鍛錬を重ねた。新井監督が18年に現役引退した際、黒田氏が掲載した「カープ新井選手引退記念企画『結局、新井は凄(すご)かった』」が新聞広告大賞に選ばれている。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

広島カープ最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(野球)

    話題の写真ランキング

    写真

    デイリーおすすめアイテム

    リアルタイムランキング

    注目トピックス