カープ機動力野球復活へ脱力走塁 福地コーチ合流即改革「鼻歌を歌いながら行きなさい」

走塁練習で瞬時にスタートを切るタイミングを指導する福地コーチ。手前は野間(撮影・立川洋一郎)
矢野(左)にアドバイスする福地コーチ
大盛(右)、羽月(左)と対話する福地コーチ
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 「広島秋季キャンプ」(10日、日南)

 新任の広島・福地寿樹2軍打撃兼走塁コーチ(46)が10日、秋季キャンプに合流した。機動力野球復活に向けた第1弾として、スタートの切り方を重点的に指導。リード時に力を抜く“脱力のススメ”をナインに説いた。今季のチーム盗塁数は12球団最少で、球団ワーストを更新する26個。現役時代に2度の盗塁王に輝いた同コーチが改革を進めていく。

 通算251盗塁を誇る足のスペシャリストが、午後から本格的に動き出した。打撃練習のローテーション中に組まれた走塁練習。福地コーチは一塁ベース付近に陣取り、各選手に言葉を掛けながらメニューを説明。いきなり開講した“福地塾”はメンバーを代えながら約2時間に及んだ。「(きょうは)スタートの導入の部分。能力、感性を確認したかった」と振り返った。

 ボールを手に取り、選手に向かい合って腰を下ろした同コーチ。選手にボールが手から離れる瞬間にスタートを切らせた。「形どうこうではなく、とにかくスタートを切る本能の部分。落ちる前に行ってくれ、という練習をしました」と狙いを説明した。中でも重要性を説いたのはリードを取る際、いかに力を抜くかという部分だ。

 それを象徴していたのは、今季チームトップ7盗塁の野間に掛けた言葉。「(体が)固まっちゃうので、『鼻歌を歌いながら行きなさい』と言いました。体のストレスを取れるようにしていきたいので」と脱力する重要性を強調した。

 ユーモアを交えてニュアンスを伝えたが、それぐらい力を抜いて二塁を狙ってほしいという思いがある。野間は「(考え方は)新しかった。どうしても色んな迷いがあるので」と自己分析。今後は実戦の中で試していく姿勢を示した。

 公式戦で盗塁となれば、必然的に肩に力が入る。いかに力を抜けるかが肝要になり、同コーチは「体に力が入ることを取るのは難しいので、その一部でもきっかけになればいい」と尽力していく。

 今季のチーム盗塁数は12球団最少の26個。企図数55もリーグ最下位だった。新井監督は就任会見で機動力野球の復活を提唱した。福地コーチも呼応して「それに応じられる選手を準備しないといけない。彼らには『やらなきゃいけないよ』と。動かないと何も始まらない。きょうは部分的な練習。(塁間で)どれだけ走れるかは、これから」。伝統をよみがえらせるべく、チームに新風を吹かせる。

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