【石原慶幸氏の眼】広島は今こそ、全員野球で難局を乗り越える時期

 「広島0-9中日」(29日、マツダスタジアム)

 3回4失点での降板となってしまった広島・大瀬良だが、『どこが悪い』という投球ではなかった。これまでの2段モーションからの変化を試みてもいたが、こうした試行錯誤は誰でもやることで、それが裏目に出たようにも見えなかった。

 あえて言えば“いい入り”ができなかった。自身の調子を把握する前に、犠飛、本塁打と失点を重ねてしまい、リズムをつかみ損ねたマウンドだった。

 一方の打線は中日・高橋宏の前に八回1死まで無安打と沈黙した。今後も対戦する投手だけに、次回までに対策を考えておく必要はある。

 一方で、菊池涼、長野らが凡打であっても一塁まで全力疾走する姿が目に付いた。こうしてやるべきことをやっていれば活路は開ける。

 投手陣も同様。大瀬良は次回までに修正してくるだろう。非常に暑くて大変な時期が続く。球界のコロナ禍も油断できない状況。こういう時こそ誰か一人がではなく、全員で前を向き、選手同士がカバーし合う戦いで流れを引き寄せたい。

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