【安仁屋宗八氏の眼】カープ敗戦にあって光ったバッテリーの村上封じ
「広島2-4ヤクルト」(30日、マツダスタジアム)
今季11度目の延長戦をミスから落とした広島。デイリースポーツ評論家の安仁屋宗八氏はヤクルト村上から奪った4三振に「価値がある」と指摘した。
◇ ◇
延長十二回を戦っての敗戦は、確かに痛い。ただ、前日までいいように打たれていた村上を、アンダーソンが第3打席まで、さらに九回には栗林が4打席目も三振に仕留めた。この4奪三振は価値がある。
これができた要因は、まず先発のアンダーソンが、徹底した直球によるインコース攻めを敢行したことだ。ホームランバッターは得意なコース付近に“穴”があるもので、そこを果敢に攻めたからこそ、こうした成果が得られる。
3打席目には、アンダーソンのスタミナの問題もあって、抜けた球も見られたが、内角攻めの影響で村上も立ち位置を後方に下げており、重心も背中側に移っていたことから、その抜けた球に対処できなかった。
それを見越した会沢が、九回の栗林には外中心に投げさせて、三振を奪った。2打席目までの、バッテリーの勝利と言える。
好調なヤクルトを相手にこれだけの投球ができたアンダーソンは、自信を持って次戦以降に向かって欲しい。