広島・マクブルーム 「人生初」満塁弾 初回いきなり!4連敗中の重い空気吹き飛ばした

 1回、満塁本塁打を放ち悠然とダイヤモンドを回るマクブルーム(撮影・立川洋一郎)
 ファンの歓声に応えて手を振るマクブルーム
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 「広島11-5中日」(20日、マツダスタジアム)

 広島のライアン・マクブルーム内野手(30)が初回に大野雄から来日初となる6号満塁ホームランを放った。4連敗中の重い空気を一振りで変える先制弾。4番の一発に勇気をもらった打線は12安打11得点の猛攻で連敗を止めた。投げてはエース大瀬良が8回5失点の力投でリーグトップタイの5勝目。3年ぶりにAクラスでの交流戦突入を決めた。

 これぞ4番、これぞ助っ人だ。マクブルームが初回無死満塁で大野雄から満塁本塁打を放った。

 一塁ベースをまわる際に、どうだ!と言わんばかりにベンチに向かってガッツポーズ。いつもはクールな男が興奮気味にベースを一周した。

 「プロになる前に(1試合)3本打ったことはあるけど、グランドスラムは間違いなく初めての経験」

 人生初のグランドスラムはチームを救う一発となった。今季2度目の4連敗で東京から移動してきた。疲労を考慮し、フリー打撃は行わず試合に臨んだ。

 初回は今季初めて1番に入った野間がしぶとく一塁内野安打。菊池涼は2度バント失敗で追い込まれたが、粘って低めの変化球を技で右前に落とし一、三塁と好機を拡大。西川は四球で満塁とした。ここで助っ人は冷静に状況を分析し打席に向かった。

 「いつも(本塁打を)狙うと三振をしてしまう。しっかりと投手に向かっていくことで結果が出る」

 カウント1-1からの変化球を左翼スタンドまで運んだ。これでマクブルームが本塁打を打てば5戦全勝となった。

 佐々岡監督も「連敗をしていた中で(1番の)野間で始まり、4番で点を取ったというのは、チームが本当いい雰囲気になった」と絶賛した。

 マジメがモットーだ。「試合はどれだけアジャストメントできるか、対応できるかと思っている。安定感が大事。一打席、一球一球対応したい」と話す。ベンチではメモを取る姿も見られる。その姿勢が28試合連続出塁という結果に表れている。

 「連敗はしたけれど巨人との3連戦も惜しい試合で、いい戦い、いい野球ができたと思っている。悲観することはない。毎日球場にきて、しっかりとプレーすることが大事だと思う」

 その言葉にはチームリーダーの風格すら漂う。左投げ右打ちという珍しいスタイルの背番号10。お立ち台に立つ姿が本当に頼もしく見えた。

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