4年目・羽月、走守で1軍定着へ“限界突破”だ
広島の羽月隆太郎内野手(21)が、1軍定着に向けてレベルアップを図っている。春季キャンプでは特守で先輩の菊池涼に助言を仰いで守備力向上に努め、武器である走塁でもさらなる磨きをかけていた。今季で4年目を迎える若武者。1軍戦力となるべく、開幕までアピールを続けていく。
ひたむきに白球を追いかける姿が、随所で見られた。2月1日からのキャンプ期間。羽月は自身に足りない部分を補おうと、懸命に汗を流していた。日南キャンプでは全体練習後、サブグラウンドで菊池涼と特守を実施。「自分が描いている形に、より近づけていく練習をしていた」と振り返った。
9年連続ゴールデン・グラブ賞を受賞中の名手との時間は、何物にも代えがたい貴重な時間になった。体に染みこませたのは、捕球時の股割り。「僕は左にボールを置く癖がある。正面にボールが来たら『正面でそのまま股を割れ』と」。打球と体をずらし、その勢いで足を運んで送球につなげる癖があった。
だが、そうなるとイレギュラーへの対応も難しくなり、送球時のバランスも崩れると指摘された。球界屈指の名手から基本事項の重要性を改めて学び、反復して練習を行ってきた。
自慢の走塁では韋駄天(いだてん)ぶりを発揮した。キャンプ中の盗塁阻止の練習では走者を務め、6度の企図で全て盗塁成功。「クイックの速い投手は多い。その中でも(代走に)いかないといけない場面がある。そこでポンと出されても、(盗塁を)できるように。求められているところが、今年はそこだと思う。応えていきたい」。
昨年末に鹿屋体育大で自主トレを行い、トレーナーにも助言を受けて自身の脚力を磨き上げてきた。守備と走塁で高水準を誇ることが首脳陣へのアピールとなり、1軍生き残りにつながる。「守備と走塁に関しては、『限界を作らない感じで』と思ってやっている。もっと速くなるし、もっとうまくなる」と貪欲さを示した。
打撃面では、無駄な力を入れないスイングを求めてあえてトップの位置から「ゆっくり振る」意識を高めてきた。バットを振る際に体をひねる癖も解消されてきたという。今季で4年目、同期入団の小園は遊撃のレギュラーをつかもうとしている。自身も負けていられない。“限界突破”のスタイルを貫き、チームに欠かせぬピースとなる。
羽月 隆太郎(はつき・りゅうたろう)2000年4月19日生まれ、21歳。宮崎県出身。167センチ、69キロ。右投げ左打ち。内野手。背番号69。今季推定年俸1000万円。神村学園から2018年度ドラフト7位で広島入団。プロ2年目の20年8月7日・阪神戦(マツダ)で初出場初先発(2番・二塁)。





