広島ドラ6末包 4番で130メートル弾 ポスト誠也が本塁打新人一番乗り

 「オープン戦、巨人1-3広島」(26日、沖縄セルラースタジアム那覇)

 プロ野球は26日、宮崎、沖縄両県でオープン戦が開幕し、5試合が行われた。広島は那覇で巨人と対戦。「4番・一塁」でスタメン出場したドラフト6位・末包昇大外野手(25)=大阪ガス=がチーム1号を放った。五回に左翼防球ネットの最上部を直撃する、推定130メートルの先制2ランを記録。自身の実戦初アーチとなり、オープン戦では12球団の新人選手最速の一発というおまけ付きとなった。“ポスト誠也”として期待される男が貪欲にアピールを続ける。

 すさまじい打球が左翼席後方を襲った。逆風を切り裂いた弾道と飛距離に、誰もが夢を膨らませた。末包がオープン戦チーム1号の先制2ラン。自身の実戦初本塁打に「いい形でバットを出せたのできれいに真っすぐの打球が飛んで行った。少しホッとした感じでした」と笑顔を見せた。

 待望の“プロ初アーチ”は五回2死一塁。1ストライクから巨人・戸田の144キロを、コンパクトに力強く振り抜いた。打球は左翼後方の防球ネット最上部に突き刺さる、推定130メートル弾。球場全体がどよめく中、規格外の一発が豪快な“自己紹介”となった。

 打った瞬間に本塁打と分かる、圧巻の打球。全力疾走の必要はなかったが「無我夢中の状態で、一生懸命走っていました」と自分に苦笑い。試合前の段階で、今キャンプの実戦は6試合で打率・316。持ち味の一発は出ていなかったが、あせりはなかった。

 前日25日に「長打に関しては我慢の時期」と自らに言い聞かせていたように、力で飛ばす気持ちを封印していたことが奏功した形だ。昨年、阪神・佐藤輝も記録した新人選手のオープン戦初戦本塁打で強烈な印象を与えた。いきなり4番を任せた佐々岡監督も「ああいう一発が彼の魅力」とたたえた。

 もちろん、課題も残った。初回は2死二塁で山口の前に空振り三振。三回は2死満塁で、メルセデスに対して三ゴロに。1軍の先発ローテを担う投手との対戦は今後の糧。一塁守備では、初回2死で丸の打球を後逸して失策となり「エラーは目立つので、シーズンに入るまでに何とか自分なりにやっていきたい」と挽回を誓った。

 ダイヤモンドを一周したルーキーに注がれた拍手喝采は、鈴木誠の後釜としての期待の高さを物語っていた。「オープン戦とはいえ、ファンの皆さんの前で結果を残せた。『プロ野球選手になったな』という感じがありますね。どんどん経験を積んで、もっともっといい状態にしたい」。開幕まであと1カ月。ファンとチームの夢を乗せ、末包が力強く歩みを進める。(向 亮祐)

 ◆末包 昇大(すえかね・しょうた)1996年5月27日生まれ、25歳。香川県出身。188センチ、110キロ。右投げ右打ち。外野手。背番号52。今季推定年俸1000万円。高松商、東洋大、大阪ガスを経て、2021年度ドラフト6位で広島入団。大阪ガス時代は4番を務め、昨夏の日本選手権では打撃賞を獲得し、優勝に貢献した。

 ◆新人のオープン戦初戦本塁打 広島では2015年2月21日・巨人戦(沖縄セルラー)でのドラフト1位・野間峻祥以来。「1番・右翼」で先発出場し、六回の第3打席で小山の直球を右翼席に運んだ。他球団では阪神ドラフト1位・佐藤輝明が昨年3月5日・ソフトバンク戦(ペイ)の初回、左越えに初打席初本塁打。広島でも84年にドラフト2位・小早川毅彦がオープン戦初打席初本塁打を記録している。

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