広島の投手キャプテン・九里に込められた首脳陣の思いとは 北別府氏が推察

 広島・佐々岡監督は今年の投手キャプテンに九里亜蓮投手(30)を指名した。昨年の春季キャンプ第1クールで、いきなり347球の投げ込みを行い、周囲の度肝を抜いたカープの“熱男”。デイリースポーツウェブ評論家の北別府学氏は「その結果が最多勝。彼に刺激を受ける投手は多いはず」と九里効果に期待する。

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 九里と言えば、昨年のキャンプで見せた豪快なデモンストレーションによるアピールを思い出すね。いきなり凄い投球練習をしたのには驚いた。

 (2月2日の初ブルペンで九里が120球の投球練習。2日後の4日には2時間かけて347球の投げ込み。第1クールからエンジン全開だった)

 首脳陣のみなさん、しっかり見ておいてください-そんな感じだったね。そしてきっちり結果を出した。ローテーションに加わり、最多勝というタイトルを獲得したのだから立派の一語に尽きる。

 過去の九里は先発で投げたり中継ぎに回ったりと結構、便利屋のように使われていた。それでも辛抱して監督の期待に応えるべく、そのときどきの役割をしっかり果たし、チームに貢献してきた。

 ただ“先発としてやれる”という思いは強かっただろうし、何でもこなすうちに自信が強まっていったんでしょう。それがキャンプでの積極姿勢に表れていたのだと思う。

 彼は向上心があって人柄もいい。明るい性格もキャプテンに向いていると思うね。自分だけでなく、投手陣全体を引っ張る力があるし、その練習ぶりは若い人の参考になる。

 また、いろんな球種をもっているのだが、球数を投げ切る勢いで体に覚え込ませていったようだ。

 球数を投げる投手はだいたい制球がいい。制球がよくなると“ムダな肩”を使わずにすむ。九里はそのあたりが少しずつ上手になってきている。

 最近はキャンプでの投球数が減少傾向にあり、佐々岡監督も少し気にしているみたいだね。その点を考慮したうえでの“キャプテンご指名”だったのではないだろうか。

 九里効果は若手だけでなく、主力選手に対しても見られるかもしれない。彼の同期であり、チームの大黒柱でもある大瀬良。

 昨年は右肘の手術明けで満足な数字が残せなかったけど“オレももう一度最多勝を獲る”というようなライバル心が煽られれば、ハイレベルな競争が期待できる。森下も含めてチーム内での刺激は、より大きな成果をもたらすはずだ。

 そういう意味で「九里主将」は最高の人選だと思うね。

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