「広島３－０ＤｅＮＡ」（１２日、マツダスタジアム）

　初タイトルが見えてきた！先発した広島の九里亜蓮投手（３０）が７回１安打無失点と好投し、リーグトップタイの１２勝目を手にした。残りの登板機会はあと３試合。最多勝獲得に向けて全力投球を続けていく。チームは今季２度目の６連勝を飾り、ＤｅＮＡ戦の勝ち越しが決まった。

　最後の打者を左飛に抑えるとグラブをパンとたたき、笑みを浮かべながらナインとハイタッチを交わした。中５日で先発した九里は７回１安打無失点と好投。この日、白星を挙げた阪神・青柳と並ぶリーグトップタイの１２勝目を手にした。お立ち台に上がり、「いいピッチングができて良かった」と喜んだ。

　初回、先頭の桑原にいきなり死球を与え、立ち上がりは制球を乱した。しかし、坂倉が盗塁を阻止するなど守備の助けもあり、無失点で切り抜けると勢いに乗った。

　二回以降は安定した投球を披露。尻上がりに調子を上げ、安打は四回２死から宮崎に許した二塁打のみ。直球を軸に多彩な変化球をうまく低めにちりばめ、ＤｅＮＡ打線に的を絞らせなかった。「坂倉からどんどんゾーンで勝負していこうと。うまくいろんなボールを使いながらリードしてくれたおかげ」と感謝を口にした。

　佐々岡監督も粘りの投球を評価。「初回、死球を与えてリズムが悪くなったが、立ち直ってくれた。緊迫戦の中、相手に点をやらない、粘り強い投球ができていた。修正できたから、七回までいけた」とたたえた。

　目指すは最多勝のタイトルだ。残りは１１試合。佐々岡監督は「こっちが用意するのは当然」と次回も中５日で先発させることを明言している。順調にローテを回れば１８日と２４日の阪神戦、また、中４日で今季最終戦となる２９日のヤクルト戦にも登板が可能。最大３試合に登板できる見込みだ。

　「ここまで来たら、その（タイトル）意識はあると思う。自分で勝たないとというところ。初めて１０勝して、タイトル争いもいいプレッシャーというか、モチベーションになっている」と指揮官。最大限サポートしていく構えを示した。

　チームは今季２度目の６連勝を飾り、ＤｅＮＡ戦の勝ち越しが決まった。「一試合一試合勝てるように。いいピッチングをして何とか取れるようにしたい」と意気込んだプロ８年目の右腕が、悲願のタイトル獲得に向けてまい進していく。