「広島春季キャンプ」（１日、沖縄）

　広島のドラフト３位・大道温貴投手（２２）＝八戸学院大＝と羽月隆太郎内野手（２０）が１日、佐々岡真司監督（５３）から「監督賞」を贈られ、ＭＶＰに選出された。右腕は中継ぎとして３試合連続無失点と好投し、羽月は走攻守で光るプレーを見せた。期待の若鯉がキャンプでの経験を生かし、研さんを積んでいく。

　選手全員が集まる円陣の中心で少し照れ笑いを浮かべた両者は、佐々岡監督からの言葉に耳を傾け、軽い会釈をしながら監督賞を受け取った。プロ初のキャンプを完走した大道は「思ったよりも耐え抜けたというか。いい感じで広島に帰れる。プラスな気分になりました」と表情を緩め、羽月は「けがなくできたことが良かった」と自身初となる１軍キャンプを振り返った。

　日を追うごとに輝きが増した。新人右腕は練習試合で３試合連続無失点と好投。アピールに成功すると佐々岡監督からは守護神争いを告げられた。

　クローザーについては「１軍で投げるというのに意味がある。ポジション的にはどこでもいい」とこだわりを示さなかったが、「ソフトバンクのモイネロ選手は（登板したら）終わりという感じがある。そういう投手になりたい」と強力セットアッパーの名を挙げ、存在感のある投手になることを誓った。

　羽月は走攻守で随所に好プレーが目立ち、連日一発芸を披露するなど元気印としてキャンプを盛り上げた。「自分の持ち味である足を使って攻撃、守備、走塁に生かしていきたい」。将来を担う若鯉が指揮官の期待に応え、オープン戦での激しい競争を勝ち抜く。