広島ドラ1栗林、無安打G封デビュー 自信のフォークでセ王者を手玉

 「練習試合、巨人0-0広島」(17日、沖縄セルラースタジアム)

 広島のドラフト1位・栗林良吏投手(24)=トヨタ自動車=が17日、練習試合・巨人戦(沖縄セルラースタジアム)で実戦初登板を果たした。六回、マウンドに上がり1回を無安打1四球1三振で無失点。直球の最速は148キロを計測し、主力の吉川から“プロ初三振”も奪った。上々のデビューを見せた即戦力右腕が、さらなるアピールを続けていく。

 胸の高鳴りが、いつもの感覚を狂わせた。“プロ初登板”の相手はリーグ2連覇中の王者。それでも、栗林は安打も失点も許さなかった。並々ならぬ素質を感じさせた実戦初登板での14球。「緊張があってフワフワしていたけど、1イニングを投げ切ることができて良かった」。出番を終え、少しだけ安ど感がにじんでいた。

 六回。一礼してベンチを飛び出し、三塁線の前でも一礼。ルーティンを終えても「地に足がついていない状態だった」とプロのマウンドで初めて味わった感覚を表現した。先頭・秋広への初球直球をたたきつけ本塁手前で大きくワンバウンド。「巨人という強い相手だったので、力みと緊張が出てしまったかな」。浮き足だっても、自分を見失わない。その右腕で、動揺を断ち切った。

 秋広をカーブで投ゴロに仕留めた。湯浅に四球を与えたが、1番・吉川にはフルカウントからの低めフォークで空を切らせた。大学時代に対戦経験もある相手から奪った“プロ初三振”。「三振か、内野ゴロを打たせるには確率的にフォークが一番いいかなと」。一走・湯浅の盗塁死で三振ゲッツーとなり、小走りでベンチに戻った。

 フルカウントでも、ボール球のフォークを投げ切れるのが栗林らしさ。「あれを継続できるように」と口元を引き締めつつ「ボール先行だった。ストライク先行で抑えるのが一番」と課題を挙げた。

 投球を見届けた佐々岡監督は「力みがあったけど、すぐに修正できている。真っすぐも指にかかったボールがあったし、最後もフォークでね。三振を取れるという魅力があり、落ち着いて第一歩を踏み出した」と評価。今後も先発かリリーフの適性を見極めていく。

 巨人相手の無失点デビュー。「これから何回も対戦する相手にゼロで抑えられた。自信にして、これからもずっとゼロで抑えられるように。リリーフは(マウンドに)立った瞬間、ベストパフォーマンスを出さないといけない」。緊張しても自身の役割を全うする。背番号20に、救世主の匂いが漂ってきた。

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