広島・遠藤 頭の振り過ぎ注意 4年目の来季飛躍へ精密機械と言われた北別府氏が金言

11月4日・巨人戦で完投し5勝目を挙げた遠藤
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 広島・遠藤淳志投手が、今季最終登板となった4日・巨人戦(マツダスタジアム)で4安打1失点で今季2度目の完投で5勝目を挙げた。今季3年目の右腕は、開幕からローテーションに入り。19試合に登板し5勝6敗、防御率3・87の結果を残した。デイリースポーツウェブ評論家の北別府学氏に来季の飛躍が期待される遠藤についてに聞いた。

 オープン戦で結果を残し、6人目のローテーション投手に入った遠藤だが、北別府氏は「首脳陣は当初、6連戦の中で出遅れた野村や新人の森下らが安定するまで埋めていこうと考えだったと思う。それが大瀬良が抜け、復帰した野村も抜けた。ジョンソンを含め主力投手が抜けたことで遠藤が最後までローテーションで投げることになった」とチーム事情で一年間、先発したと見ている。

 投球への評価は「たちあがりの初回に四球絡みで先行されることが多かったが、極端に悪いわけでもなく初回を乗り切れば五、六回は投げてくれる投手だった。8月くらいにはボールが先行しへばりもみえた時期もあったが、終盤はストライク先行で有利なときに3球勝負できるほどコントロールが良くなった」と成長を認めた。

 遠藤の良さについて「真っすぐが打者の手元で伸び、スピードガン以上の速さを感じさせること。テレビ画面からも『速い』と思ってスピード表示を見ると141、2キロだったことも度々あった。最近の投手では珍しく球持ちがよく最後まで指に引っ掛かりスピンがかかっている。完投した巨人戦でも甘い球を打者が簡単に空振りしていた。150キロの球でもバットに当て粘られる時代、速く見えても打者にはそこまで速く見えていないのだろう。それが140キロそこそこでタイミングが合わないのだから大きな武器になる」という。

 宮崎フェニックスリーグにも参加し、来季に飛躍を目指す右腕に「一年間投げ切ったし、好素材ではある。いいも悪いも経験しただろうし、終盤には勝つコツも味わった。課題としてはコントロール。なんでもないときに四球を出す。追い込んでも狙い過ぎてボールになったり、見ていて必要のないボール球も多々ある。無駄な球を減らすことが必要だろう」と制球力アップとともに投球術向上を願った。

 技術的には「悪いときには頭を振り過ぎている。腕を振ろうとするのは分かるけど、腕と一緒に頭まで振ってはボールスピードあがらず。ゴルフに例えるなら、ねじるには腰から引っ張ってミートの瞬間に腕が追い越せばいいが、腕と一緒に腰も回しているみたいなもの。本人はひねっているつもりでも見ている人は腕と腰は一緒に回っている。投球でも頭を残して腕が追い越せば、もっとスピードも出るだろうしコントロールも良くなる」とアドバイスを送った。

 精密機械と言われ抜群の制球力で通算213勝を挙げた北別府氏の言葉は、4年目の飛躍を目指す遠藤にとって金言となるだろう。

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