広島・ドラ1森下に巨人の壁…“らしさ”消え6四死球…悔しさにじむ5回2失点

 「巨人2-1広島」(31日、東京ドーム)

 広島は打線が今季ワースト3安打と沈黙し、カード初戦を落とした。巨人戦初先発となったドラフト1位・森下暢仁投手(22)=明大=は5回4安打2失点で3勝目はならず、2敗目を喫した。6四死球と制球に苦しみながらも、粘りの投球を披露した。チームは16年以来、4年ぶりの巨人戦4連敗で最下位に転落。1日こそやり返せ!

 初回の投球を終えると、森下は帽子を取って汗を拭いながらベンチに戻った。いつも通りの自分ではない。初回だけで32球を費やした立ち上がりが、最終的に響いた。プロ入り初となる巨人戦のマウンド。今季3勝目を狙ったが、昨年リーグ覇者の壁は高かった。

 その初回は1死から坂本、丸、岡本に3者連続四球を与えて満塁とした。ここで5番・大城を内角高め151キロで空振り三振に斬ると、続くパーラはカットボールで見逃し三振。結果的に0点でピンチを切り抜けたが「やってはいけないことだった」と唇をかんだ。

 初回の入りを重視して臨んだが、強力打線を前に投球のわずかな歯車が狂ってしまう。佐々岡監督が「慎重になっていた。この球場(東京ドーム)ということもあるし、巨人打線への意識もあったかな」と話すように、二回は先頭・炭谷への初球が大きく外れて死球。らしさは失われていた。

 三回も2死から岡本、大城に連続四球。三回まで無安打投球だったことが薄れてしまうほど、苦心の投球だった。そして1-0の四回、相手打線に牙をむかれる。

 1死から吉川尚に初安打を許し、犠打で2死二塁。ここで1番・亀井に同点の中前適時打。坂本に右前打でつながれ、3番・丸に勝ち越しの右前適時打。会心の当たりではなかったが、しぶとく打球を運ばれた。味方打線が1点を先制した直後に3連打で逆転を許し「点を取ってもらって抑えないといけないところ。それができなかった」と悔しさをにじませた。

 亀井には2球目、坂本には3球目を安打され、丸の適時打はカウント2-1からの4球目だった。3巡目となった相手の上位打線。慎重になると四球となり、ストライクゾーンの球は確実に仕留められしまう。役者がそろった巨人打線が上手だった。三者凡退は五回だけだったが、それでも2失点にまとめた粘りは評価に値する。

 佐々岡監督も「粘り強く投げたと思う」と一定の評価を与えた。初のカード頭に登板した森下は「投げる試合はどの試合でも責任感を持っています。次、しっかり投げます」と雪辱を誓った。首位・巨人のレベルを肌で感じた100球。経験と悔しさを糧に、次戦に挑む。

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