カープファン里帰り 約1か月半ぶり投手野手合同練習再開のスタジアムに340人

 投手と野手が合流して再開した集合練習(撮影・立川洋一郎)
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 広島は21日、マツダスタジアムでチーム練習を再開した。投手と野手が合同で練習するのは4月7日以来、約1カ月半ぶり。この日から「マツダスタジアムを見に行こう!」と題し、球場コンコースと観客席の一部でファンが練習を見学できる企画がスタート。初日は抽選で選ばれた広島県内在住125組340人が、ソーシャルディスタンスを保ちながらスタンドから選手の姿を熱心に見届けた。

 遠ざかっていた日常が戻り始めた。鯉党が、懸命に白球を追いかける選手、打球の行方に目を走らせる。「マツダスタジアムを見に行こう!」という企画の下、選ばれた125組340人のファンが12球団最速で開放されたスタンドからチームの再始動を目と心に焼き付けた。

 午前10時からのチーム練習。グラウンドで円陣が組まれ、外野でのランニングやウオーミングアップは全員で行われた。午前中は投内連係やノック、午後からはフリー打撃。居残り練習に精を出した選手も多かった。

 活気あふれる選手たちの雰囲気が、カープファンの心を明るく照らす。子連れや一眼レフカメラで写真撮影に精を出す人もいた。呉市在住の女性(50代・会社員)は「ウソのような感じ。これが普通なんだ」としみじみ。廿日市市在住の男性(50代・会社員)は「活気もあるし、選手を見られるだけで最高の気分」と声を弾ませた。

 この企画は県内在住者限定で、外出自粛が続いたファンを喜ばせたいという球団の思いから実現。普段と変わらぬ光景につながった。もちろん、スタッフが消毒に回るなど感染予防対策は徹底。開放された座席は中段以降で前方は立ち入り禁止。コンコースの売店の販売員や売り子たちはフェースシールドを着用した。

 ファンの熱い視線を浴びての練習に佐々岡監督は「やっぱりファンあってのプロ野球」と“原点”に立ち返った。選手会長の田中広も「こういう職業なので、うれしい部分もある」、大瀬良は「練習ですけど、元気な姿を見せられて良かった」と笑顔だった。

 同企画は23日までの3日間でスタート。22日にはシート打撃を生で見ることができる。また、25日から3日間の追加開催も発表された。

 佐々岡監督は円陣で「きょうもたくさんのファンの人が来られている。医療従事者の方や、このコロナでいろんな影響を受けた方々に勇気と元気を与えられるようにというのが、プロとしての使命」と決意を新たにした。最短6・19で開幕は見えてきた。グラウンドから聞こえてきた球音がカープファンの心を満たしていく。

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