「広島春季キャンプ」（８日、日南）

　パワーピッチャーの迫力を示した。広島の新外国人、ＤＪ・ジョンソン投手（３０）がフリー打撃に初登板。ドラフト２位・宇草（法大）と中村奨に計３０球を投げ、安打性は１本。完璧に打ち取り、守護神争いへ幸先の良い滑り出しだ。

　「真っ直ぐの仕上がりは良い。８０％くらいまで来ている」

　時折、直球が内角へカット気味に食い込むのも強み。宇草からは３つの空振りを奪った。中村奨は詰まらせてファウルになる打球が多かった。最速はこの日、登板した５投手の中でトップの１４８キロを計測した。

　一日の流れがわかり、順調にメニューをこなす。さらに「日本人の選手が努力している姿に感化されているんだ」と言った。どんな練習にも手を抜かず取り組むチームメート。勤勉さに大きな刺激を受けている。

　緩急を織り交ぜた投球にもメドが立ちそうだ。過去５年間で「５球くらいしか投げていない」というチェンジアップを５球試した。投球前に投げる球種を宣言していたにも関わらず、宇草からは２つの空振り。手応えがあった。

　敵情視察の００７にも力を見せつけた。「真っすぐのキレが良い。変化球もばらついていない。どう対応していくか」。阪神の太田スコアラーは頭を悩ませた。立派な顎ひげをたくわえる新助っ人。“鯉のヒゲ魔神”誕生を予感させるデビュー戦だった。