広島・大瀬良、最多勝フォーム“再解禁”でタイ獲る 2段モーション貫く
広島の大瀬良大地投手(28)が30日、マツダスタジアムの合同自主トレに参加し、昨秋から封印していた2段フォームを“再解禁”する意向を示した。今オフは新たな投球フォームに挑戦したが、上半身と下半身の連動性などを考慮。2018年に最多勝、最高勝率を記録した従来のフォームに磨きをかけ、チームをV奪回へと導く。
試行錯誤の末の決断だった。春季キャンプを目前に控えた大瀬良が、マツダスタジアムに姿を見せ「もうある程度は昨年までと同じようにとは思っています」と明言。これまで封印していた従来の2段モーションを“再解禁”する考えだ。
昨季は11勝9敗。夏場の疲労の影響もあり、シーズン後半はやや精彩を欠いた。その反省を基に、昨秋から下半身の消耗を軽減させる負担の少ないシンプルなフォームへの改造に取り組んでいた。「平地ではすごく感覚が良かった」と一定の成果を見いだしたが、マウンドで投球した際に「上(半身)と下(半身)の連動性がかみ合わない感じ。もうひとつしっくりとこなかった」。傾斜があると、フィーリングに狂いが生じたという。
従来の2段モーションと新フォームをてんびんにかけた結果、「今はもう9対1か10対0ぐらいですかね」と表現。最終決定はキャンプを経てからになるが、再解禁する意思は固い。
今オフも巨人・菅野がフォーム修正に励むなど、他球団の選手たちはさまざまな方法でレベルアップを図っている。その事実を踏まえた上で「変える変化も大事ではあるが、合わないのであればそこまで挑戦する必要もない」とキッパリ。自身は17年から2段モーションを取り入れ、18年には最多勝(15勝)&最高勝率のタイトルを獲得した。3年連続2桁勝利を達成しており、最大限に力を発揮して実績を積んできた投球フォームを貫くことが、最良の選択であることは確かだ。
合同自主トレでは床田や戸田らにアドバイスを送るなど、カープのエースとして立場は変わってきている。「これまで通りに2段モーションで投げていく予定。ブルペンでフォームを見てくれたら。初日から仕上げて、キャンプからは固めていく形でやっていこうかな」。キャンプに向けて意気込む背番号14は、従来のピッチングにさらなる磨きをかけ、V奪回の立役者になる。



