ドラ2島内 セットアッパーいける!2回完全投球 佐々岡C「短いイニングもおもしろい」

 「広島紅白戦、紅組4-1白組」(16日、コザしんきんスタジアム)

 広島ドラフト2位・島内颯太郎投手(22)=九州共立大=が16日、紅白戦に初登板し、主力を相手に2回を無安打無失点に抑えた。直球、フォーク、チェンジアップに加え、今キャンプで特訓中のスライダーに一定の手応えをつかんだ。周囲の評価はうなぎ上りで、佐々岡投手コーチはセットアッパー候補としてリリーフでの起用を示唆した。

 ルーキーが主役の座を奪った。紅組2番手で登板し、2イニングをピシャリ。沖縄2次キャンプ初の土曜日にスタンドを埋めた大観衆の度肝を抜いた。

 「課題にしていた変化球でカウントを取ることができたので良かったです。甘い球を投げると打たれるので、慎重に投げました」

 1-1の三回。緊張の面持ちでマウンドに上がったが、野間をチェンジアップで一ゴロに仕留めると、菊池涼は直球で押し込み二飛。バティスタは習得中のスライダーで捕邪飛に打ち取った。

 2イニング目も松山、会沢、坂倉をすべて直球で3者連続の遊ゴロと圧巻の内容。わずか20球でアピールに成功した。

 キャンプイン前、担当の末永スカウトから緩急の重要性を告げられた。大学時代は直球主体の投球で抑えられたが、謙虚な気持ちで耳を傾けた。すべてはプロで生き抜くために。持ち球のフォーク、チェンジアップに磨きをかけ、スライダーの質も高めている。

 精度は着実に向上しているが「キレはまだまだ。今日良かっただけなので、これからどんどん投げていきたいです」と島内。ただ打者6人を無安打に封じた10日のシート打撃に続く好投で、周囲の評価は急上昇中だ。

 初めてバッテリーを組んだ石原が「いいテンポで投げていた。意図しないボールもあったと思うのでブルペンで修正してくれたらいい」と評し、佐々岡投手コーチは実戦派と高く評価。島内は「先発でやりたい」と熱望するが、同コーチは「短いイニングもおもしろい」。セットアッパー候補として、リリーフでの起用を示唆した。

 キャンプ序盤はチーム宿舎に戻ると「ずっとベッドに横になっています。動く元気がない…」と苦笑いを浮かべていた島内。今では「オン、オフの切り替えができている」とプロの環境にも徐々に慣れてきた。

 最速145キロを計測した直球も「これから上げていきたい」と球速アップを予告。次回登板は対外試合が濃厚だ。スコアボードに「0」を並べて、目標の開幕1軍へ突き進む。

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