九里、一発快投だ!「食らいつく気持ちで」開幕ローテ入りへ
広島・九里亜蓮投手(26)が19日、“一発快投”で開幕ローテを勝ち取る決意を示した。先発6番手の座を争う中、21日・オリックス戦(マツダ)で今年のオープン戦初登板の予定。マツダスタジアムに隣接する室内練習場で行われた投手指名練習に参加した右腕。自身の好投で、安定感を欠いている先発陣の負の連鎖をも断ち切る。
九里はキャッチボールを終えると、2日後の先発に備えて黙々とダッシュを繰り返した。開幕まで10日を切った時点で、ようやく今年初となるオープン戦のマウンドに上がる。
1軍登板は2月22日の韓国・KIAとの練習試合以来だ。高橋昂と先発6番手を争う右腕は「先発にはこだわりを持っている。開幕ローテに食らいつく気持ちで」と熱い思いを言葉に込めた。
ここまでオープン戦での登板はなかったものの、与えられた場で結果を残してきた。春季キャンプ後は3日の教育リーグ・中日戦で4回2安打無失点。前回登板の14日・三菱重工広島戦では6回を無安打無失点。いずれも1軍相手ではなかったものの、1軍登板へ視界良好な投球を示した。
「結果的に(失点)ゼロでいけば最高。だけど、考え過ぎずに持っているものを出したい。ストライク先行で、無駄な四死球も出さずに。駆け引きもする中で、大胆に攻めていきたい」
KIA戦では「変化球でカウントが取れなかったり、ボールが先行したりした」と話すが「そこは練習で意識してきて、思い通りの球の確率も上がっている」とうなずく。
左足の着地後から球をリリースするまでをやや遅くするフォーム修正も順調だ。打者のタイミングをずらしたり、直球で差し込ませたりするために昨秋から取り組んできた。「できるようになってきた」と手応えを口にする。
開幕ローテは野村、ジョンソン、薮田、岡田、大瀬良の5人は決定的だった。だが、17日・楽天戦(静岡)で岡田が左足に打球を受けて緊急降板し、開幕黄信号。18日・同戦に登板した大瀬良は5回5失点と安定感を欠いた。最大のライバルである高橋昂は最近の登板2試合で好投している。九里には快投が求められるのはもちろん、チームの先発陣に漂う不安感も払しょくしたいところだ。
「自分は持っているものを出すことだけを考えてやっていきます」と表情を引き締めた九里。オープン戦は残り5試合で先発機会は21日が最初で最後。2年連続の開幕ローテ入りへ、己の腕で道を切り開く。


