赤松「ありがたい」一発更改 来季は1軍で!胃がんからの奇跡復活へ

 胃がんからの復活を目指す広島・赤松真人外野手(35)が8日、広島県廿日市市内の大野練習場で契約交渉に臨み900万減の2700万円で更改した。減額制限いっぱいの25%ダウンも、球団から「戦力として考えている」と期待され「ありがたい」と感謝の思いでサインした。来年2月1日のキャンプイン、シーズン開幕の復帰を目指し、今後もトレーニングを継続していく。

 曇り空の下、赤松はスッキリした顔つきで報道陣の前に立った。減額制限いっぱいの900万減も、迷いはなかった。「これまでいくらもらっていたかも知らないです。(家では)小遣い制なので」と笑った。

 金額より「野球ができる喜び」に満たされていた。球団から「来季の戦力として考えている」と激励の言葉を掛けられ「ありがたいです」と感謝。「プロスポーツ選手はトップを目指すもの。勝利に貢献することが目標」と誓いを立てた。

 プロ13年目、激動のシーズンを過ごした。昨年12月28日に胃がんを公表し、年明けの1月5日に切除手術を受けた。その後は抗がん剤治療を続け、7月11日に3軍合流。まだ手足にしびれは残るもののすでにマシン、フリー打撃を再開。赤松自身が「ちょっとジャンプアップしすぎかな」と苦笑いするほどで「50%」まで回復した。

 決して順風満帆な歩みではない。この日も午前中はノックやマシン打撃などで汗を流したが、疲労を考慮して午後のトレーニングは回避。「疲れて思うようにいかないこともある。無理するとマイナスになるので」。以前と比べても「次の日の反動も大きい。回復も遅い」と明かす。

 体重は現在71、72キロをキープ。7月は73、74キロあったが「食べ過ぎると胃が痛くなる」ため、一度に食べる食事の量を減らし、小分けに。ゼリー飲料やお菓子、おにぎりを間食するなど工夫を凝らしている。

 球団も最大限、赤松の復帰をサポートしていく姿勢だ。山根ファーム管理課長は「頑張ってもらいたい。みんなの希望ができる。スポーツってそういうものでしょ」と思いを込める。復帰メドについても「決めつけてはいない。本人の体調次第です」と説明した。

 赤松も明るい未来を信じている。この1年を「終わってみれば、あっという間」と振り返り「手術も抗がん剤治療もしんどかったけどもう忘れている。でも野球をしたいという気持ちは忘れてはいけない」と力を込めた。

 今後は2月1日のキャンプイン、シーズン開幕戦を目指してトレーニングを継続する方向。胃がんからの復帰の前例はなくても、奇跡を信じて走り続けるだけだ。

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