広輔2ラン 切り込み隊長に待望1号弾! まさかの逆転負けも光った猛打ショー

 「広島4-5DeNA」(17日、マツダスタジアム)

 逆転の鯉が土壇場で追い付かれ、まさかの逆転負け。連勝は「3」でストップし、首位・阪神とのゲーム差は2・5に広がった。だが、田中広輔内野手(27)が一時は勝ち越しとなる1号2ランを含む3安打猛打賞。まだまだ鯉の季節は終わらない。絶対に終わらせない。

 両手に残る感触が心地良かった。打った瞬間に打球の行方を確信した田中は、ダイヤモンドを悠々と一周。40試合目でようやく手にした今季第1号は、鯉党を熱狂させる一時勝ち越しの2ランとなった。

 初回からDeNAの先発・ウィーランドに苦戦した鯉打線。本領を発揮したのは1点を追う七回だ。安打と犠打で1死二塁のチャンスを作ると、代打・西川が右前へ同点適時打。なおも1死一塁の場面で田中が打席に立った。

 「自分のスイングでしっかり捉えられました。西川のタイムリーで流れも良かったですね」。カウント1-1からの3球目、三上の投じた真ん中高めのスライダーをフルスイング。打球は一直線で右翼席中段へ。切り込み隊長の一発で火が付いた打線は、この回一挙4得点を挙げた。

 先頭で迎えた三回は、遊撃内野安打で出塁。すぐさま二盗を成功させ、リーグトップの9盗塁目をマーク。「まだまだ序盤なので個数は気にしていませんが、いいスタートを切れた時にしっかりできるように心掛けています」と平常心を強調する。

 五回にも右翼線へ三塁打を放つなど3安打。「やるべきことはしっかりやろうと思っていた。結果的にサイクル(安打)になれば良かったんですけど」。王手をかけた九回の打席は二ゴロに倒れ、快挙達成とはならなかったが、随所で輝きを放った。

 3点リードの九回に今村が味方の失策や四球でピンチを招き、連打で同点とされた。4-4の延長十回には一岡が決勝点を許し、田中の奮闘も及ばず連勝は「3」で止まった。緒方監督は「七回のワンチャンスをモノにしていい攻撃ができた」としながらも「九回の守りのところをしっかりできなかった」と課題も口にした。

 首位・阪神との差は2・5に広がったが、敗戦の中で光を放った打線が一丸となり、再び勝利を積み重ねていく。

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