薮田1日死去の祖母に捧げる今季初星!七回に圧巻3者連続K

 「広島5-3阪神」(11日、マツダスタジアム)

 広島・薮田和樹投手(24)が圧巻の3者連続三振で“神風”を呼び込んだ。2点ビハインドの七回から登板。3三振にねじ伏せると、その裏に“神風”とも言える相手ミスに乗じた逆転劇で、白星が転がり込んできた。8月1日に祖母・信子さんが他界。天国の祖母に捧げる今季初勝利となった。チームは5カードぶりの勝ち越し。巨人とのゲーム差を5・5に広げた。

 白球がミットに収まると、薮田は少し天を見上げた。攻撃に勢いを、そして“神風”を呼んだ19球。3者連続三振で裏の逆転につなげた。天国の祖母・信子さんに捧げる今季初勝利、プロ2勝目。圧巻の奪三振ショーで、チームに勝利を呼び込んだ。

 「(1軍に)上がって来た時から任されたイニングは、ゼロで抑える気持ちでマウンドに立っています」

 任された場面は、2点ビハインドの七回。駆け足でマウンドに上がると、まずは先頭の藤浪を3球で空振り三振に仕留めた。続く高山は内角高めの147キロで空振り三振に。最後は江越をフルカウントからの12球目、真ん中の146キロ直球で、3者連続三振締めだ。

 最速150キロ。攻めの投球で勢いを付けると、直後の攻撃で打線が奮闘した。“神風”とも言える相手ミスに乗じて、一挙4点を奪って逆転に成功。プロ初登板初先発で初勝利を挙げた15年7月1日・巨人戦以来となる2勝目だ。「キャンプから2軍でスタートして(今季)勝てるか不安でした。野手の方のおかげで勝つことができた」。右肩痛で出遅れた2年目、久々の勝利を素直に喜んだ。

 8月1日、祖母が他界した。春季キャンプを終えた3月。入院の連絡を受けて病院に駆けつけた。「プロに入る前から体調が悪くて、心配していました。小学校の時に兄が入院していて、おばあちゃんが面倒をよく見てくれていました。僕はおばあちゃん子です」。以降は会えず、結果的にこのときが最後の会話となった。

 「中学校に入った時、けんかをして手を出さずに帰った。その時におばあちゃんが『よく我慢して帰って来た。あなたには野球があるんだから』と褒めてくれた。野球が一番だと思うことができた」

 祖母の言葉を胸に、プロ野球選手への階段を駆け上がった。チームは5カードぶりの勝ち越しを決め、貯金は19。2位巨人との差を再び5・5に広げた。最短で16日にマジックナンバー「25」が点灯する。「次の試合もしっかり抑えたい」と薮田。2年目、中継ぎ転向後7試合目。秘める無限の可能性は、チームの悲願を引き寄せる。

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