広島・戸田、プロ初完封 地元で決めた

 「阪神0-9広島」(10日、甲子園球場)

 広島の戸田隆矢投手(23)がプロ初完投初完封で4勝目を挙げた。8安打、自己最多140球の熱投。地元兵庫で記念の1勝を手にした。球団の日本選手左腕の完封は2011年4月20日横浜戦(横浜)の篠田以来。チームは今季6度目の同一カード3連勝を飾り、阪神戦7連勝。貯金は今季最多の19となった。12日からは本拠地に戻って巨人戦。前半戦最後の2試合に勝ち、5連勝締めで後半戦に向かう。

 九回のマウンドに上がった戸田に左翼席から大歓声が送られた。西岡の打球を中堅・丸が捕球したのを確認すると表情が緩んだ。背水の覚悟で臨んだ一戦。9回8安打に抑え、プロ初完投初完封勝利を挙げた。

 「野手の方が初回に点を取ってくれたので楽に投げることができた。アツさん(会沢)が良いリードしてくれて抑えることができた。なかなかこういうチャンスが巡ってこないので。中継ぎ陣にも迷惑をかけていたので頑張りたかった」

 丁寧な投球が実を結んだ。低めに制球された直球を軸に、変化球を織り交ぜながら的を絞らせなかった。何度も得点圏に走者を背負いながらも、力強く投げ込みスコアボードにゼロを並べた。

 最大のピンチは九回だ。先頭・ゴメスに中前打で出塁を許すと、死球と安打で2死満塁。「最終回、直球で押していこうと思っていた。絶対に抑えてやろうという気持ちがいい結果になったと思う。弱気にならずに攻めていけた」。迎えた西岡に全球直球勝負。最後は、高めの141キロで仕留めた。自身最多の140球。一心不乱に左腕を振り下ろした。

 6月26日の阪神戦(マツダ)で左手人さし指にできたマメの影響で三回降板。先発としての役割を果たせず悔やんだが、その時、助言をくれたのが黒田だった。

 「黒田さんに指を見せてみろと言われ『爪が長いからこういうことになる。ある程度の長さに削っていけばこうはならない。先発としてやってはいけないこと。信頼を得るためにはそういう所からしっかりやらないといけない』と言われました。僕自身もそう思いますし、短いのに慣れないといけない。勝負以前の問題」。

 今後登板機会がないため一度抹消されるが、緒方監督は「この2試合内容が悪かったが、最後まで力を振り絞って投げてくれた。これを自信にしてもらいたい。後半戦もローテの一角で投げる姿を見せてくれたら」と高く評価した。

 チームは今季6度目の同一カード3連勝を飾り、貯金は今季最多の19。若鯉の覚醒で、チームの戦力はさらにアップした。

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