野村で“再奪首”先制V打&中押し打

 「巨人1-6広島」(4日、東京ドーム)

 広島が野村祐輔投手(26)の投打の活躍で、巨人との首位攻防戦第2ラウンドを制した。特にこの日は打撃がすごかった。先制点、2点目をいずれも右前適時打でたたき出し、2安打2打点。投げても要所を締める投球で5回2/3を8安打1失点にまとめ、黒田と並びリーグトップの4勝目をマーク。チームは一夜にして首位に返り咲いた。

 グラブから白球がこぼれ落ち、スコアボードに「H」の文字が刻まれると同時に、球場は驚きと歓声に包まれた。決して会心の一打ではない。それでも必死に食らいついて奪った先制点。立役者は、野手ではなく先発した野村だ。

 「打撃は好き。チャンスで簡単にアウトになると流れが来ない。絶対に打ってやろうと思っていた。勝ちたいという気持ちだった」。心地良い汗をぬぐい、笑みを浮かべた。

 0-0の二回2死二塁。江柄子の初球を右翼方向へ運んだ。浅い飛球に長野がスライディングキャッチを試みるが、捕球できず適時打になった。1-0の四回2死一、三塁でも右前にしぶとく運び、今度も長野のグラブの先に当たって落ちる2打席連続適時打。今季2度目の複数安打で、2点目を奪った。

 1試合2本の適時打は自身初。広島投手陣では1998年6月28日の中日戦(ナゴヤドーム)で紀藤真琴が記録して以来、18年ぶりだ。緒方監督は「きょうは祐輔でしょう。打席で良い意識が見えるね」と目尻を下げた。

 江柄子は明大の先輩でもある。野村が入学したときの4年生だ。1年間しか共にプレーしていないが「中日の岩田さんも4年生で、その輪に入れてもらっていた」と懐かしそうに振り返った。OB対決に意気込んで臨んだ一戦は、まさかの2安打2打点と打席での“直接対決”で勝利。「かわいがってもらった先輩なのでプレーでも勝ちたいと思っていた」と声を弾ませた。

 本業では5-0の六回2死から3連打で1失点を失い、さらにピンチを広げてマウンドを今村に譲った。それでも五回までは緩いカーブを巧みに交え、緩急を使った投球で要所を締めた。チームに流れをもたらす粘りの投球が光った。

 自身は昨季から巨人戦4連勝とし、チームの巨人戦連敗を4で止めた。一夜にして首位に返り咲き、「次も頑張りたい」と前を見据えた右腕。5日はこどもの日。鯉のぼりが天高く舞う。野村が作った上昇気流に乗り、がっちりと首位固めだ。

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