中崎が守護神!カープV方程式決まった

 「練習試合、広島8-0KIA」(22日、コザしんきん)

 「勝利の方程式」が決まった!広島の中崎翔太投手(23)が22日、沖縄・コザしんきんスタジアムで行われた韓国・KIAとの練習試合に登板し、九回の1イニングを無安打無失点。緒方孝市監督(47)は試合後に今季も抑えを任せる考えを明かした。また新外国人ジェイ・ジャクソン投手(28)=前パドレス=も八回をピシャリ。シーズン本番でも「ジャクソン-中崎」の必勝リレーで締めくくる。

 指先を離れた直球は次の瞬間、甲高い捕手のミット音を奏でた。「うりゃ~」の叫び声と同時に、中崎の147キロ直球がホップ。打者のバットは空を切った。2者連続の空振り三振。緒方監督は賛辞とともに試合後、今季の起用法を言及した。

 「素晴らしい球だった。頼もしさを感じたね。今の状態で行ってくれれば、一番後ろで投げてもらう投手だ」。キャンプ中盤に早くも2年連続のストッパー指名。対外試合初登板で魅せた23歳の投球は、指揮官の信頼を得るには十分だった。

 九回。簡単に1死を取ると、4番・白勇煥は空振り三振に抑えた。決め球は直球。続く高永愚も147キロ外角高めの直球で、2者連続三振に斬って取った。「手応えはない」。厳しい自己採点をする右腕だが、最後の1球に関しては「思ったところに行きました」と少しだけ喜んだ。

 「直球のキレも制球も、まだ思ったところに投げ切れていない。高めのミス球もあった。決めるところでしっかりと、決めないといけない」

 昨季途中から抑えに配置転換。69試合で防御率2・34の好成績だが、20失点&6敗に悔しさが残る。キャンプのブルペンでは、常に1点差を想定して投げる。「ボール1個分の出し入れを考えながら。長打、本塁打は絶対にダメなので」。昨季の失敗と経験、抑えの自覚が背中を支える。

 「1つ、2つ上を目指す」と“新球”に挑戦中。右の白勇煥に2球、チェンジアップを投げた。中継ぎに転向した2年前に封印した球種。ボール、ファウルになったが「直球とスライダーだけでは厳しい。要所で使えれば」と完全習得を狙う。また昨季、ほとんど投げなかったフォークも同様に習得中で、球種の幅を広げることで打者の目線を変える。

 八回に投げた新外国人ジャクソンも、無安打無失点と好投。25年ぶりの優勝に欠かせぬ、新勝利の方程式がほぼ固まった。「まだ、決まっているわけではないので。しっかり奪っていきたい」と中崎。ポジションを譲るつもりはない。結果と内容、進化で証明する。ストッパーは俺だ-と。

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