ドラ6オスカル圧投 バット2本折った

 「広島春季キャンプ」(11日、日南)

 広島のドラフト6位・仲尾次オスカル投手(24)=ホンダ=が11日、初めてシート打撃に登板し、打者7人に対して1安打と好投した。最速は142キロを計測し、左打者の外角低めへの制球も抜群。小窪と丸のバットをへし折り、即戦力左腕の力を見せ付けた。中継ぎ左腕の確立がチームの懸案事項の中で、首脳陣の評価はまた一つ上がった。

 日南の青空の下で、オスカルの笑顔がはじけた。初のシート打撃登板で堂々と腕を振る。代打の切り札・小窪と、チームの主軸を担う丸のバットを折る力投劇を披露。即戦力として期待される左腕が結果を残してみせた。

 「8割の力で投げて、良いボールがたくさんあった。左バッターの外角のボールも良かった」。心地良い疲労感の中で、表情は自然と緩んだ。

 “バキッ”という鈍い音が球場にこだますると、客席から驚きの声が上がった。1ボール1ストライクから小窪に投じた内角球でバットを粉砕。投ゴロに仕留めた。「勢いのあるボールが投げられた」。丸には2ボール1ストライクとなったが、最後は高めのつり球で再びへし折った。

 主力の田中、松山も封じ、計7人に対して天谷の1安打に抑えた。最速は142キロ。本塁上を左から右へ通過するクロスファイヤーは球威、制球とも抜群だった。緒方監督は「1年目から勝負するという意気込みが伝わってくる。試合で投げさせてみたいと思わせる球を見せてくれている」と目尻を下げた。

 「左打者には絶対、打たれない」。オスカルは強い気持ちで鍛錬してきた。しかしブラジル代表として出場した13年の第3回WBCの1次ラウンド・日本戦で、糸井(オリックス)と対峙した時、懐の深さに「オーラがあって抑えにくいイメージ」と感じた。

 結果は1球目で送りバントだったが、プロの左打者を抑えるには足りないものがあると痛感した。「抑えにくいイメージ」を払しょくするためにやらなければいけないことは何か。自分なりに考え、大会後はクロスファイヤーを磨き、外角球に踏み込ませないために左打者の内角へ沈むスプリットも覚えた。

 左の中継ぎ陣の整備は、緒方鯉にとって急務。14日のオリックスとの練習試合(清武)で登板する可能性もあるオスカルは、「即戦力として期待されている。しっかりとアピールしたい」と前を見据えた。一歩ずつ、確かな足取りで上る階段。その先には、開幕1軍入りが待っている。

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