広島の畝龍実投手コーチ（５１）が１４日、ドラフト１位の岡田明丈投手（２２）＝大商大＝をセットアッパーとして起用する可能性があることを明かした。山口県の由宇球場で行われた新人合同自主トレを視察し、岡田が投げる姿に熱視線。先発を基本としながらも「投げ方を見ると中継ぎのイメージはある」と起用法における選択肢の幅を広げ、春季キャンプで見極めていく。

　即戦力として期待しているドラ１ルーキー。その仕上がり具合をチェックするために、畝投手コーチは由宇球場を訪れた。岡田の投げる姿を食い入るように見つめると、「先発、中継ぎのどちらでもいけそう」と満足そうに話した。

　絶対的エースの前田が米大リーグ・ドジャースに移籍したことに伴い、鯉投手陣の配置は様変わりする。昨季、シーズン途中からセットアッパーに定着した大瀬良が今季は先発に復帰予定。そのため勝ちパターンの救援陣を再整備しなければならないが、畝コーチはその穴を埋めるべく、岡田にリリーフの適性もあると感じ取った。

　「最初は先発として考えているが、チームの状況によって変わってくる。自分で（投げる）ポジションをつかんでほしい」

　起用法の選択肢を広げることで、岡田の可能性を伸ばすことができるはず。春季キャンプでは適材適所を見極め、最大限の力を発揮できる役割を与える方針だ。

　岡田も先発にはこだわっていない。「任されたポジションならどこでもやる。連投は苦にしない」。大学時代は先発した翌日に中継ぎ、抑えとして登板した経験もある。チームのために、何でもやる覚悟だ。

　この日はランニング、ダッシュ、遠投などで汗を流した。「フォームのバランスなど考えながら久しぶりに長い距離を投げました。（調子は）悪くなかったです」。畝コーチは「回転のいい球を投げている。腕の振りもよかった」と潜在能力を高く評価した。

　キャンプインに向け、岡田は体のコンディションを整えていく予定。「１年間投げないといけないので、ブルペン入りはまだまだです」。焦りはない。先を見据えて戦うイメージはできている。期待の即戦力右腕が、投手陣の救世主となるべく、内に秘めた熱い信念を貫く。