菊池執念!奇跡V「まだ諦めてない」

 「広島3-2DeNA」(21日、マツダスタジアム)

 広島の菊池涼介内野手(25)が同点の七回、左前に勝ち越し打を放った。14試合ぶりの適時打が決勝打となり、連敗を3でストップ。今季主催試合の観客動員数が192万76人に到達し、球団過去最高を更新した一戦を勝利で飾った。残り12試合。ヒーローは「まだ諦めてない」と、奇跡の逆転Vを誓った。

 白球は黒土を付けながら、しぶとく三遊間を抜けた。勝利への執念を乗せた決勝打。打球の行方を確認すると、菊池は絶叫で喜びを爆発させた。「不細工だったけど…」。連敗を3で止めた殊勲者は、笑顔で振り返った。

 「ヒットになってよかった。KJ(ジョンソン)が頑張って投げていたので、なんとかしたかった。いいコースに飛んでくれた」

 同点の七回2死一、三塁。DeNA先発の山口が投じた初球、内角高め145キロの直球を狙った。詰まった打球は振り切った分、三遊間を抜けた。持ち前の積極姿勢が生んだ一打。「ちゅうちょしたら遊ゴロ。前の打席で内の直球を2つ振ったおかげで振り切れた」と自賛した。

 9月3日の阪神戦以来、14試合ぶりのタイムリー。三回には無死満塁で押し出し四球を選び、続く松山の同点犠飛へとつなげた。「最近は球を見て、見ていいパターンになっている」。9月の月間打率・352。シーズン終盤にきて、本来の姿を取り戻しつつある。

 昨年までの積極性に加わった「忍耐力」。6月下旬、野村前監督の言葉がヒントになった。

 「菊池と丸、今年はお前たちで動いているんだから、考えて野球をしよう。試合の状況を見て動きなさい。考えずに野球をやるのは、昨年までだよ」

 持ち味の積極性と、忍耐力。恩師は個人の成績だけでなく、チームに流れを生む「姿勢」を求めた。押し出し四球と、初球打ち。相反する2つの打点に、リーダーに指名した緒方監督も「前半、あれだけボール球を振っていたのに。開幕から成長した姿を見せてくれているよ」と絶賛した。

 満身創痍(そうい)の戦いは続く。22日からはヤクルトと2連戦。対戦打率・358のキーマンが、首位撃破のカギを握る。「みんな苦しい中でやっている。ずっと大事な試合。やるしかない」。言葉に力を込めた。さあ残り12試合。奇跡を信じるファンに、お立ち台で強く誓った。「僕たちもまだまだ、諦めてません」-。

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