黒田が今季最長8回0封で6勝目
「交流戦、ソフトバンク0-6広島」(12日、ヤフオク)
広島の黒田博樹投手が、日本球界復帰後最長となる8回を投げ、6安打無失点で6勝目を挙げた。
立ち上がりは不安定だった。初回、1死から2番の福田を自らの悪送球で出塁させると、続く柳田に右前に運ばれた。その後、2死満塁とピンチは広がったが、前日にサヨナラ弾を放った絶好調の松田を得意のツーシームで遊ゴロに抑え、無失点で切り抜けた。
すると打線が二回に田中の2ランで先制。三、四、六回と1点ずつを加え、ソフトバンクのエース・摂津をKOした。
調子を取り戻した黒田は、四回には無死一塁から李大浩を三併殺に。最後は松田を外角のツーシーム、通称「バックドア」で見逃し三振に抑えた。六回、内川を遊併殺に打ち取ると、グラブをたたきながら激しくガッツポーズ。勝利への執念、戦う姿勢をグラウンドで見せた。
八回には、この試合最大のピンチを背負った。2死一、二塁から柳田に四球を与えて満塁とし、打席には4番・内川。国内最高レベルの巧打者を相手を迎え、世界をうならせた投球術が光った。2-2と追い込むと、低めのボールになるフォークを打たせ中飛に。打球の行方を見届けた黒田は、マウンド上で両手をたたいてほえ声をあげた。
過去、逆転優勝の前例がない借金9を目前に、大ベテランが貫禄の投球。完投すれば、ヤンキース時代の2013年4月14日・オリオールズ戦以来で完封して以来2年ぶり、日本では07年9月23日・ヤクルト戦(広島)以来8年ぶりだったが、八回までで118球を投げており、ここでお役ご免。最後は中崎にマウンドを譲った。
これでチームも自身も3連勝となり、交流戦の勝敗も五分に戻した。お立ち台に立った黒田は「粘り強く投げていけば、こういう展開になると思っていた」と淡々。「足も使えるし、一発もある手強い打線」というソフトバンクを相手に、「しっかり自分のピッチングをして、ゲームを作ることを考えました」とあくまで冷静さを貫いた。