「交流戦、オリックス３－４広島」（３０日、京セラ）

　太い二の腕が勝利への道を切り開いた。快音を残した白球がバックスクリーンへ消える。広島のシアーホルツが日本球界を代表する右腕・金子から豪快な４号ソロを放った。

　「いい感触だったね。京セラドームは普段、試合をしないから入るかどうかわからなかった。ホームランになってくれてよかった」

　０－１の四回１死。低めのシュートを振り抜いた。やや体勢を崩されてもお構いなし。パワーでスタンドに放り込んだ。今季初勝利を狙う金子の心を大きく揺さぶる、価値ある一発となった。

　六回には右翼フェンス直撃の安打を放ち、２安打、１打点。ここ１０試合は４２打数１７安打で打率・４０５。４月の来日当初はボール球に手を出していたが、「今はボールがよく見えている。以前とは格段に違う」。体調は万全。日本野球に慣れ、投手にも適応できるようになってきた。メジャー通算５２本塁打の男に、いよいよエンジンがかかってきた。

　広島では、来日している妻と２人でバスに乗り出掛ける。「日本は安全だし食べ物がおいしい」。ストレスなく過ごせる生活も好調の要因の一つだ。３１日も勝利して、３連勝での５月締めを目指す。「また頑張るよ」。力を込めた言葉に、自信がのぞく。