エルド完全復活打!連勝ならずも好材料

 「交流戦、広島4-8ロッテ」(27日、マツダ)

 広島が逆転負けで連勝を逃し、借金7に逆戻りした。相手に先制を許したが、ブラッド・エルドレッド内野手(34)の3号ソロなど打線が奮起。点の取り合いで2度リードを奪う反発力を見せたが、投手陣が守れなかった。それでも、右膝手術から復帰した昨季本塁打王が順調に状態を上げているのは、今後への明るい材料だ。

 巨体からエネルギーがほとばしった。1-1の四回、丸の5号ソロで勝ち越し、なお2死一塁。梵の右翼線三塁打で、エルドレッドが一塁から長駆生還を果たした。中継で本塁へ送球されたが、決して余裕でセーフのタイミングではなかった。

 リードを一時2点に広げる激走だった。右膝手術から1軍に復帰し5試合目。「自分の持ち味はどんな状況でも100%以上を出すこと。走塁でも守備でも100%以上を出す」と信念を口にした。

 試合後は右膝のアイシングが欠かせない。それでも「試合を重ねれば腫れが出るのは普通のこと。スイングに違和感はない。何の問題もない」と言い切った。九回1死満塁の守備では、根元の飛球にあと一歩届かず、頭上を越える3点三塁打を許したが、手を抜いた守りではない。

 試合は2度のリードを守れず敗戦。打線に当たりが出てきている一方、開幕から奮闘してきた投手陣は崩れる場面が増えてきた。先発の大瀬良は7回5失点。4-3の六回は2死から逆転を許した。

 13試合続けて連勝がなく、借金7に逆戻り。緒方監督は「点を取った後で取られるのが目立つ。六回は2死からの四球から…。大瀬良の状態が良くないのは分かるが頑張ってほしかった」と嘆いた。最後は「また明日から頑張るしかない」と、自嘲気味に話した。

 最下位に沈むカープ。もどかしい試合が続く中、エルドレッドの全力プレーに低迷打破のヒントがあるはずだ。0-1の二回にはイ・デウンから左中間に同点ソロを放ち「失投を見逃さずしっかり振れた」とうなずいた。

 昨年本塁打王は、これでスタメン復帰後4試合で3本塁打をマーク。それでも「結果はいいけれどチームが勝てていない。勝ちきらないと意味がない」と首を振った。投打がかみ合った勝利を、ナイン、そして鯉党の皆が渇望している。

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