誠也 頭部死球に満塁本塁打でお返し

 「阪神0-10広島」(9日、甲子園)

 広島の最下位脱出を決定づける打球が、鯉党が陣取る左翼席に吸い込まれた。九回1死満塁。鈴木誠が島本の変化球を捉えた。「直球を待っていて泳がされた。あんなに飛ぶとは」という驚きの一発。無我夢中でダイヤモンドを一周した若鯉は「人生で初めてです」と、初のグランドスラムに声を弾ませた。

 八回にアクシデントがあった。松田のすっぽ抜けた直球が頭部に直撃。一瞬うずくまった後、危険球で退場する松田をにらみつけ、トレーナーとともにベンチに下がった。

 心配されたが、鈴木誠は志願してグラウンドに戻った。3号満塁弾を放った九回は、頭部死球の次の打席。恐怖心が芽生えてもおかしくないが「むしろ向かっていこうと思った。やってやろうと思った。チャンスなので積極的にいった」。強い精神力を見せ付けた。

 開幕スタメンを果たしながらも不振に苦しんだ。次第に出場機会が減少したが、辛抱強く調子を上げていった。これで出場時は4試合連続安打。打率も・282に上昇し、2軍降格危機から巻き返した。

 もちろん満塁弾で浮かれてはいない。二回と四回に好機で凡退した打席を反省材料に挙げた鈴木誠。開幕前に掲げたレギュラー定着への道はまだこれから。それは誰よりも、自分自身が分かっている。

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