丸、復活の先頭弾「気持ちで打った」

 「広島1-0中日」(17日、マツダ)

 広島・丸佳浩外野手(26)が初回、1号先頭打者弾を放ち、球団史上初の快記録を導いた。7回無失点で今季初勝利をマークした福井優也投手(27)らの力投もあり、チームの連敗は2でストップ。初回先頭打者アーチによる1-0勝利は球団史上初めてとなった。この快記録を最下位から巻き返す契機とする。

 喜びは控え目だった。福井とともに立った、今季初の本拠地お立ち台。丸は「嫌な流れが続いていたので何とか勝てて良かった。全くチームに貢献できてなかったので。いい風が吹いてくれました」。打率1割台と本調子には程遠い。ただ連敗を止めた立役者であったことは間違いない。

 初回。フルカウントから放った1号ソロが決勝点になった。八木のスライダーを流し打ち、打球を左翼中段席上の看板に直撃させた。「気持ちで打った、ということにして下さい」と振り返った。

 丸の初回先頭打者弾は、14年4月1日・ヤクルト戦(マツダ)以来3本目。今季2試合目の1番起用に応えた。「どの打順でもやることは同じ」。己の打撃に徹し、復調の兆しを手にした。

 カープにとっては歴史的な勝利だ。初回先頭打者弾による1-0の勝利は、リーグでは9回目だが広島では初。これをチーム、そして丸自身が巻き返す契機にしたい。

 丸は「今日は自分のスイングができた。(八回の好機で三振した)最後はできなかったけど。もっと状態を上げていきたい。(修正点は)いっぱいありすぎて何とも言えない」と複雑な表情。「今日は福井さまさまです」と、先輩を立てた。

 そんな苦境の中でも、丸は練習中に若手はもちろん、松山ら先輩にも明るく声をかけ、前向きな姿勢を示し続けてきた。緒方監督から「彼はプラス思考だから。言動も行動も明るい」と、信頼を寄せられてきた。

 追加点を奪えず、最終回に守護神ヒースが連続四球でピンチを招いた。課題も残る辛勝だった。丸はお立ち台で最後に言った。「あしたも勝つ!!」。チームリーダーとして、己自身とナインを鼓舞した。鯉党への誓いを守らない丸ではない。

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