梵V打!野球少年少女にお手本の一打
「中日0-2広島」(30日、ナゴド)
夏休み最後の週末。野球少年少女にお手本を示す打撃だった。広島・梵がこれぞ“センター返し”で、決勝点をもたらした。
四回1死満塁から山井の直球を捉えた。長短打で出塁していた後輩の菊池、丸が相次いでホームにかえってきた。中前2点適時打に「コンパクトにセンター返しと、ランナーをかえすことだけを考えた」と、ベテランらしい一打でワンチャンスをものにした。
今季は春先から打撃が振るわなかった。両膝に爆弾を抱えていることもあり、後半戦に入って成長著しい新人の田中に遊撃のポジションを奪われ三塁を守っている。そんな中、巨人、阪神との三つどもえの争いを迎えた今、存在感を見せつけている。5試合連続安打で打率も・276まで上げた。
打つだけではない。三塁の守りでも貢献する。27日・ヤクルト戦(マツダ)、29日・中日戦(ナゴヤドーム)では投前の送りバントを猛然とダッシュして処理。この日は七回2死三塁のピンチで3連投の戸田が、前夜2本塁打を放った藤井に2ボールと苦しくなると、マウンドに歩みより声をかけた。
選手会長として広島市北部の土砂災害への義援金集めに奔走。「チームが勝っていければいいです」。寡黙な背番号6は、若鯉たちを背中で引っ張る。